あんさつ。 | ナノ

15

先「さて、始めましょうか」

…うわー。殺せんせーがいっぱいいる…。
学校の中間テストが迫ってきたから、一人一人の苦手教科を先生の分身が一対一で教えてくれるんだって。しかも、苦手教科ごとにハチマキまでして。…一人だけ、ナルトがいるけど…。
私は数学と英語が苦手。だけど、カルマくんに数学を教えてもらうようになって、授業の内容も分かるようになった。だから、殺せんせーに教えてもらうのは英語だけ。…殺せんせーは、教えるのがすっごく上手。

先「結花さんは国語の成績は非常に良いんですがねぇ…」

殺せんせー曰く、文章を読み解く力があるなら、英語もできる筈だと言う。

『日本語は分かるんですが、英語は何が書いてあるのかよく分からなくて…。単語のスペルも文法もなかなか覚えられないんです…』

記憶力の乏しい私は、単語を覚えることすら一苦労。文法なんて全く分からない。それでも、殺せんせーに習うようになって少しマシにはなった。

先「数学の方はカルマ君に教えてもらっているようですし、問題ありませんね」
『せ、先生っ!//』

顔を縞模様にしてニヤニヤと笑う殺せんせーの言葉に、自分でも赤面するのが分かった。殺せんせーを軽く睨んでいると…
   ぐにゅんっ

『ひゃあっ!?』

今さっきまで睨んでいた対象が、突然歪んだ。驚いて軽く悲鳴を上げる。

先「急に暗殺しないで下さいカルマ君!!」

見れば、殺せんせーにナイフ(対先生用の)を突き出して、あっかんべぇをするカルマくんが。

業「だって、結花と楽しそうにしてんだもん。何故か知らないけど、結花の顔真っ赤になってるし」

わー。カルマくんがやきもち焼いてるー。拗ねてるー。わー。…後でお仕置きされそう。やだなぁ…。公開キスとか言ったら私死んじゃう。お姉さまじゃないんだから、みんなの前でキスとかしないでー!
…ところで。お気付きでしょうか…カルマくんの、私の呼び方が変わっていることに。この間キスをしたときに、「呼び捨てでいい?」って聞かれたので「いいよ」って答えて、今に至ります。そして…カルマくんが意外に嫉妬深いと言うことも最近知りました。今までも何度か、クラスの男の子と喋っていると必ずカルマくんが割って入って来たことがあったけど、まさか態とだったなんて…。しかもカルマくん、相手を睨んでたんだって。そりゃみんな冷や汗かいて退散するよね。カルマくん、みんなに怖がられてるし。…優しいのにね、カルマくん。

業「…結花?いつまでボーっとしてんの?もう授業終わっちゃったよ?」
『ほぇ?』

…あら…殺せんせーがいつの間にか視界から消えてる。ニヤニヤの縞々顔がいなくなってる。

『ねぇねぇ、』
業「ん?」
『好き、』
業「…//」

座ったまま、立っているカルマくんのお腹に抱き付けば、頭を優しく抱き締め返してくれた。…ほら、優しいよ?

業「…でもお仕置きはするからね」
『えーΣ』

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