あんさつ。 | ナノ

1

「起立!!」
 ジャキジャキジャキ!!!
「気をつけ!!」
 カチャ…
「れーい!!!!」
 パパパパパ…

…号令と共に、生徒が先生に銃を向ける…。
ここは、椚ヶ丘中学校・3年E組。通称・暗殺教室。
…始まりは、三年生の初めまで遡る…。

―――――
―――


《月が!!》
《爆発して7割方蒸発しました!!》
《我々はもう一生、三日月しか見れないのです!!》

…残念…満月が好きだったのに…って、そこじゃないか。

先「初めまして。私が月を爆った犯人です。来年には地球も爆るつもりです。君達の担任になったのでどうぞよろしく」

うねうねとした体の変な生き物はそう言った。
…ああ、誰か五個ほどツッコんでくれないかな…。

烏「単刀直入に言う。この怪物を君達に殺して欲しい!!」

…本当に…今すぐ誰かツッコんで!!!

―――――
―――


報酬が百億ということもあって、皆暇さえあれば暗殺を試みてはいるけれど、傷一つ付けられずにいる。それどころか…お手入れをされる始末。眉毛のお手入れ…ありがたいんだけど、ちょっと…否、かなりムカつく。…でも何だかんだ言ってすごくいい先生。勉強も分かりやすいし、相談にだって乗ってくれる。

渚「結花〜」
『あ、渚くん』
渚「一緒に帰らない?途中まで同じ方向だからさ」
『うん。いいよ』

…同じクラスの渚くん。すっごく優しい。私もよく喋るし、親しみやすいんだけど…正直、男の子って感じがしない。…可愛い。(渚くんには言えないけどね)

『…あの宇宙人みたいな先生さ、』
渚「ん?」
『いい人だよね。人って言えるかどうか分かんないけど…』
渚「うん。分かりやすいし」
『卒業までに殺さなきゃいけないなんて、実感湧かないよ…。ナイフも銃も、玩具にしか見えないし…』
渚「うん。…でも、殺さなきゃ地球が消されちゃうよね…」

あんな人(?)がそんな悪いことするようには見えない。
いい人(?)なのに。
…まぁ、人は見かけによらないからね。信じるだけ無駄だもの。
裏切られたときに、虚しくなるだけ。
…特に、先生はね。

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