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丘の上に戻ってきたカルマくん。
…もう一人で暗殺するのは諦めたみたい。
『カルマくん…よかったよぅ…』
カルマくんは無事だったのに、私の涙は次から次へと溢れてくる。
業「心配させてごめんね〜。俺もう大丈夫だから、泣かないの」
頭をくしゃくしゃと撫でられて、ちょっと安心した。
…殺せんせーに挑発されて、殺意を向けたカルマくん。
業「殺すよ、明日にでも」
…あれぇ…?
さっきまでとは違い、爽やかな雰囲気のカルマくんに、私は首を傾げた。
…私と同じにおい…しなくなった…。
業「帰ろうぜ渚くん、結花ちゃん。帰りメシ食ってこーよ」
そう言ったカルマくんの片手にはがま口の財布。…古。ダサ。誰の?
先「ちょッそれ先生の財布!?」
…殺せんせーのだったんだ…。
もうちょっとマシなの無いのかな…。
業「あ、そーだ。結花ちゃん、」
『?はい』
ぎゃあぎゃあと騒ぐ殺せんせーを完全に無視して、私を振り返ったカルマくん。
業「結花ちゃんさ、俺と付き合ってよ」
『………へ?』
…今、なんと…?
業「だから、結花ちゃんは明日から俺の彼女。…ちなみに、拒否権は無いからね」
『え、え、え、ええええええ!?』
…びっくりです。殺せんせーも渚くんもポカンとしてる。
業「初めて会った時から可愛いなとは思ってたんだけどさ…さっき俺のこと心配してくれてる結花ちゃん、すごく可愛かったからさ」
にっこり笑って私の頭を撫でてくれたカルマくん。
…正直…私もカルマくんのこと嫌いじゃないです…。