あんさつ。 | ナノ

136

殺「時雨さん、もう大丈夫なんですか?」
ビ「心配したのよ、結花!」
『ご心配をおかけして、すみませんでした。もう、大丈夫です』

裏山に戻ると、殺せんせーとお姉さまが迎えてくれた。あの後の流れと今の状況を殺せんせーが教えてくれて、クラスが二つに分かれて戦争している最中だと知る。
とりあえずと案内された観客席から自分の意思で戦うクラスメイト達をじっと見つめた。

『……私、どうしたらいいのか、分からないんです。殺せんせーを助けたいっていう人の気持ちはすごく分かる。でも、殺されるなら私たちの手で、っていう殺せんせーの気持ちも尊重したい。…みんなは、きっとどっちかの気持ちが強いから、今こうして戦ってるんだと思います。でも…私はどっちも同じくらいで…どっちを選んでもきっと、後悔してしまうと思うんです』
殺「…戦っている人たちにも、色々な意見がありました。先生はね、君達が先生のことを真剣に考えてくれるだけで十分嬉しい。今無理に答えを出さなくてもいい。ゆっくり悩んで、答えがでたら教えてください」
『…はい』

ぺたりと触手が頭に置かれ、私が返事をすると殺せんせーはうんうんと笑って頷いた。

メ「あ、結花!大丈夫なの!?」
『メグちゃん、竹林くん…』

梯子を上ってきた二人は多分、私が来る少し前にやられていたのだろう。メグちゃんに「大丈夫だよ」と返した私は、殺せんせーが「カルマ君の指示でしょう」と話すのを聞いてふと思い出した。
…カルマくん…私に黙って浅野くんにあんな指示を出すなんて…。

『…赦すまじ…』
「「「(((急に怒った!?)))」」」

prev|next

[ text toptop ]