あんさつ。 | ナノ

123

体心立方格子構造…えっと、アレだよ。理科の、化学分野に出てきたやつ!他にも面心立方格子とか、六方最密構造とかある、アレ!
うん、分かるよ?この構造は、一つの四角の中の原子を全部くっつけると、球二つ分になるヤツでしょ?
………で?
私はこの問題で、何をすればいいの…?
え、待って、10分以上余裕を持って最終問題に来たのに、残り3分なんですけど!?最終問題、このままじゃ白紙だよ!!どどど、どうしよう!?

先「そこまで!!」
『(ガーン)』

…だめだ…ショックから立ち直れない…。


―――――
―――



神「結花ちゃん、お疲れさま!」
『有希子ちゃん…お疲れさま…』
カ「結花!結花の授業のお陰で国語バッチリだよ!」
渚「僕も…あんなにはっきり長文の内容が掴めたのは初めてだったよ」
『うん、ありがと…』

どうやら私の授業は功を奏したらしい。
…でも…。

業「結花?元気なくない?」
『…カルマくん…実は…――』

半泣きの状態でカルマくんに事情を話す。最終問題に手も足も出なかったこと。

業「え、結花、あの構造を知ってたの?うわ…もったいないじゃん。あの問題は、中心の原子を自分に置き換えて、箱の中の自分の領域を求めればいいんだよ。結花は一つの箱の中の原子が二個分だって知ってたんでしょ?だったら…」
『2分のaの3乗…?』
業「うん、せーかい」
『………うわ…』

…何やってたんだろう、私…。
prev|next

[ text toptop ]