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「約束、覚えているかい？僕は必ず、君に勝ってみせるよ」
…私を家まで送ってくれた浅野くん(カルマくんもいたけど)が、別れ際に言った言葉が思い出される。
…テスト当日。
A組の人たちは異常な目で私たちを睨んでいたけれど、あの日の浅野くんの言葉の意味が、今ならよく分かる。…この殺気では、きっと私たちには勝てない。
強く激しい感情は、時に大きな力を生み出すこともあるけれど、長続きはしないから。
…英語、社会、理科、国語…今まで受けたどのテストよりも、全ての教科が怪物レベルで難しい。でも、解けないレベルじゃない。落ち着いて、一つ一つ確実に潰していけば、普通に解ける。
特に、国語は順調だった。
元々得意教科なのもあるけど、それだけじゃない。殺せんせーが生徒同士で教え合う時間を作ってくれた時、国語を教えたのは私だから。
――『大事なのは接続詞と言い替えられた言葉です。これが見えなければ長文読解は出来ない。筆者が何を伝えたいのか、同じ意味として受け取れる言葉はどれなのか、それさえ掴めれば評論文は解けます。小説や随筆はもっと簡単です。主人公になりきってください。どんな気持ちでどんな行動をしたのか、実際にその人の立場に立ったつもりで考えれば、何が正解なのかも見えてきます。では、まだ授業で手を付けていない教科書の長文で、実際に解いていきましょう』――
…うまく、皆に伝わったかな。
でも、テストが終わるまで、振り返ってる時間はない。一番の難関が、この先で待っている。
…数学。
学校以外でもずっとカルマくんに教わってきた。カルマくんは私の苦手な部分を見つけ出して、徹底的に潰していってくれたけど、やっぱり自信がない。
…確率…漸化式……大丈夫、落ち着けば解ける…あれだけカルマくんに習ったんだもの…。
よし、最終問題………って、なんじゃこりゃあぁぁ…。