あんさつ。 | ナノ

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…学園祭当日。
お客さんとして来た修学旅行の不良たちに、同じ班だったみんなが顔色を変える。
不良たちはあの時の腹いせに来たつもりらしいけど、すごく美味しかったようで泣きながら食べてた。
極めつけは、お姉さまの一言。

ビ「駅前にあるわよ…ATM」

…破壊力が半端じゃない。
ATMがこんなにセクシーに聞こえたのは後にも先にもこれ一回だと思う。
我先にと走っていく不良たちの背中が見えなくなった頃、私はお姉さまに親指を立てて見せた。

『お姉さま、ぐっじょぶ!!』
ビ「あいつらでしょ?結花を誘拐したの。…破産するまで絞りとってやるわ!!」

私の可愛い結花に…とお姉さまの後ろに鬼の影が見えた気もするんだけど、それ以前に、抱きつかれて窒息しそう。
そこへカルマくんが乱入、お姉さまとカルマくんが私を挟んで喧嘩を始めるという、いつもの流れになっていたんだけど。

神「…結花ちゃん…ちょっと、」

珍しく有希子ちゃんが入ってきて、私を助けだしてくれた。…助け出してくれたんだけど、何だろう…この、有希子ちゃんの「邪魔してごめんね」的なオーラは…。
…それはさておき。
本当に、いつもは微笑みながら見てるだけなのに、今日はどうしたんだろう?
そう思いながらも、有希子ちゃんに手を引かれるままに歩いていくと。
一つの席の前で止まった有希子ちゃん。隅の方の人目につかないそこに座っていたのは、元クラスメイトの女の子だった。
サイドメニューと飲み物を前にしながらも、どこか気まずそうに座っていたその子は、私を見ると少しほっとした顔になる。
不思議に思いながらも向かいの席に座ると、女の子は徐に一枚のカードを差し出してきた。
私をここに案内したあとも隣にいてくれている有希子ちゃんと、渡されたカードを覗き込んで書かれた文字を読み上げる。

神「『“三年A組イベントカフェ・特別招待券”…?』」

――三年A組イベントカフェ・特別招待券
時雨結花様と他一名の入場を無料で許可します。なお、この券は何度でも使用可能です
生徒会長・浅野学秀――

…浅野くん…職権乱用にも程があるよ…。
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