あんさつ。 | ナノ

115

…秋。
この椚ヶ丘学園にはとっても大きなイベントがある。
それが、椚ヶ丘学園祭。
たくさんの団子を顔に刺して振り向いた殺せんせーからも、わくわくしているのがよく分かった。
でも、と吉田くん。
こんな所まで安い飯食べに来るかしら?と狭間さん。
しかも、と続けた杉野くんの話によると、浅野くんはコネを最大限に使って大手チェーン店とスポンサー契約を結んだとか。
…浅野くん、頑張ってるなあ…。
お得感が大事だと言う殺せんせーが出したのは、どんぐり。
拾って来てと言われたので、外に出て少しストレッチをする。

業「結花、」
『…カルマくん、そのカゴは何…?』
業「どんぐりなんて他の奴も集めに行ってんだから、違うもの集めようよ」
『違うもの…?』


―――――
―――



カルマくんが集めようと言ったのはキノコだった。
鑑定は殺せんせーにしてもらうから、とりあえず見つけたのは全部持って来て!と言われた。ついでに、「毒キノコ素手で触って手荒れたりしたら大変だから、これ付けてね」と、ご丁寧にゴム手袋までくれた。
…カルマくん、毒キノコ、何に使うつもりなんだろう…。
律にどんな所にキノコが生えやすいのかを聞きながら、山の斜面を登ったり下りたり。たまに足を滑らせると、怖いくらいの勢いで何処からともなくカルマくんが飛んでくる。…足音でも聞こえてるのかな…。
色々とってはカゴの中に入れていると、そんなに小さなサイズでもなかったのに、カゴはすぐいっぱいになった。
校舎に戻れば、どんぐりの他にも木の実や川魚も集まっていて、まさに山奥のE組ならではの利点といった感じだった。
サイドメニューも考えているんだよ、と私が有希子ちゃんに教えてもらっている丁度その頃。カルマくんはキノコを殺せんせーに鑑定してもらっていた。
…毒キノコ使おうとしてるの、渚くんに何の疑いもなくばれてるし。
あ、マツタケもあったんだ。
すごいねー。何この山。
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