あんさつ。 | ナノ

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保護色になって壁と同化…気分はカメレオンだ。
殺せんせーは私たちの影を隠すようにして隙間を埋めていて、きっと死神のモニターからはこの檻が無人に見えている、はず。
…少し経つと、部屋の中央に置いてあった首輪が爆発した。
きっと死神がここの様子を見たんだ…。

『ごめんねカルマくん…重いよね…』
業「…今度スイーツ食べ放題でも行こっか。あと、一ヶ月運動禁止」
『それはもっと太れってことなの!?っていうか具体的な計画立てないで!一ヶ月も運動禁止とか無理だからね!?』
寺「おい、俺の上でイチャついてんじゃねー!」
業「黙れ寺坂」

   ドパァン

杉「な、何!?」

コソコソと言い合いをしていると、向こうから大きな水音が響いてきた。
…っていうか、杉野くんはちゃっかり有希子ちゃんを肩車してたんだね…。
水音の正体は烏間先生と死神が落ちてきた音だった。
死神がそこにいるということは、私たちの作戦が成功したということ。私たちは怪我をしないようにゆっくりと肩車三段構えを崩していく。
あとは、烏間先生を信じて待つだけだった。


―――――
―――



『…“死神”って、世代交代とかあるのかな』

国の人たちに運ばれていく殺し屋を見つめながら、呟いた。

業「あいつは“死神”に成り立てだった…って言いたいの?」
『……うん…』

確かに、プロの殺し屋たちが簡単に殺られてる。…でも、超人的とはいえ国の役人さんに負けるような人が、世界で最も凄腕の殺し屋だなんて…。

業「…考えすぎだよ、結花。殺し屋だって人間なんだから、欠点くらいあるって」
『そう…だね』
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