あんさつ。 | ナノ

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死神を追って行った烏間先生。
部屋に残ったイリーナ先生は、「死神(カレ)を倒そうなんて無謀ね」と鼻で笑ったけれど、皆に何故裏切ったのかと責められて、黙り込む。

業「怖くなったんでしょ。プロだプロだ言ってたアンタが、ゆる〜い学校生活で殺し屋の感覚忘れかけてて。俺等殺してアピールしたいんだよ。「私冷酷な殺し屋よ〜」って」

…そう言ったカルマくんは何処か攻撃的な目をしていたけれど、下を向いたままのイリーナ先生は図星だったらしく本音を吐き出した。
私の世界はそんな眩しい世界じゃない、と。
…みんなが、項垂れるイリーナ先生に何か声をかけたくて、でも何を言えばいいか分からずに言葉を模索していると、死神から指示が来たのかイリーナ先生も部屋を出ていってしまった。
残された私たちは、モニター越しに烏間先生と死神の戦いを見つめた。
…勢いよく走っていた烏間先生は、扉の前まで来るとドアノブを掴んでぴたりと動きを止める。少し逡巡したようにも見えたけれど、次の瞬間には扉を開き…爆発に巻き込まれた。……と思ったら何事も無かったかのようにまた走っていく。
…え。今の数秒に何があったの。
ポカンとしていると、殺せんせーが説明してくれた。
爆弾が仕掛けられていることだけでなくその威力まである程度予測し、時間短縮の為にそのままドアを開け後ろ受け身を………って、あの一瞬でそんなことが起こってたの!?
…さらに。
銃を撃てるよう仕込まれたドーベルマンたちの中を、笑顔だけで通ったり。(いやでもあれは犬たちが可哀想だと思う。烏間先生の笑顔、怖いし。)

素手で勢いのついた鉄骨を止めたり、片手でボーガンの矢を掴んだり。
…でも。
私たちもここでただ見てるわけにはいかない、よね。
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