あんさつ。 | ナノ

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業「…て、起きてよ!結花!!結花っ!」
『…カ、ルマ…くん…?』
業「!、よかった…。同じ薬で眠ってたはずなのに、結花だけ起きないんだもん。焦ったじゃん」

…カルマくんが私を呼ぶ、必死な声で目が覚めた。
そっか、私…お姉さまに…。

『…イリーナ先生は?』
業「ああ、ビッチ先生ならそこにいるよ」

カルマくんの示した先には、皆に手錠をつけていくお姉……イリーナ、先生。
私たちも腕を後ろで固定されて、足は自由だけれど思うように動きが取れなくなった。
次は烏間先生も人質にすると言った死神。
…死神と烏間先生…どっちが強いんだろう…どっちも化物じみてて、いまいち想像が出来ない。

業「…結花、見てみ」
『…!』

何かに気付いたカルマくんが私に合図し、モニターを示した。
外に設置したカメラの映像。そこに映っていたのは…

死「………なぜわかった?」

…リードを握る烏間先生と、そのリードで首輪を繋がれた殺せんせー。…変な着ぐるみ姿で這うように地面の臭いを嗅いでいて…あれは犬のつもりかな…。
って、建物の中に入って来た時にはもう着替えてる!
………まずい、よね…。
まるで人質のように、先生二人の前に死神と一緒に現れたイリーナ先生。でも…それは芝居でしかない。…だから…
   プシュ…ドロォ

殺「なっ…!?」

殺せんせーはイリーナ先生に何の警戒心もない。
いきなりイリーナ先生に足…というか触手…を撃たれて動揺する殺せんせーは、焦ったまま落とし穴にかかり。死神の銃で、捕まろうとする触手を全て払われ…
   ボトォッ
…私たちのいる牢の中に、無様な音と姿で落ちてきた。
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