あんさつ。 | ナノ

105

お姉さまを人質にとった“死神”。
教室に残されたメモと地図。
…皆で新しい体育着を着て、お姉さまを助けに行くことにした。
地図と頼りに向かった先は、人気のない場所に建つ四角い建物。
来客用入口、と書かれた鉄の扉を開けると、何もなくて広い空間が私たちを飲み込んだ。

死「全員来たね。それじゃ閉めるよ」

入り口の上に付いていたカメラとスピーカー。ちゃんと全員がいることを確認したらしい死神は、スピーカー越しにそう言うと扉を閉めた。
メグちゃんがお姉さまを返してくれるように言ったけれど、死神は全くそんな気はないらしい。
返事の代わりに床が動いて、私たちは部屋ごと閉じ込められた。

死「捕獲完了」

…無駄に爽やかな死神の後ろには、手首を縛られて気を失っているお姉さま。

『お姉さまっ!』

死神は私たちを人質に殺せんせーを殺すのだと言っていた。
だから、まだ殺さないと。
岡島くんがその確認を取り、その間に他の人たちが壁を叩いて見つけたポイントに、竹林くんが爆薬を仕掛ける。
奥田さんが煙幕を投げ、目くらましをして爆破された壁から逃走した。
…そして。

磯「役割を決めて3手に別れよう」

戦闘のA班。
救出のB班。
情報収集のC班。

『…あの、磯貝くん』
磯「ん?どうかした、時雨さん?」
『私、お姉さまを助けに行きたい…』
メ「いいじゃん!結花がいたら心強いし!!」

…A班に振り分けられていたけれど、どうしても自分でお姉さまを助けに行きたくて、磯貝くんに申し出た。
メグちゃんもウインクして賛成してくれる。
けど…。

業「ダメだよ結花!もし死神に遭ったらどうするのさ!!こんな時くらい、大人しく俺に護られてよ!」
『でも…!』
神「まあまあ…結花ちゃん、あんなに落ち込むくらいビッチ先生を心配してたんだよ?希望通りにしてあげよう、業くん?」
業「………」

…有希子ちゃん、マジで天使。
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