あんさつ。 | ナノ

104

烏「―――…祝いたいのは本心だ。恐らくは最初で最後の誕生祝いだしな」

…あーもう、何で余計な事言っちゃうの、烏間先生…。せっかくお姉さま、喜んでたのに。

烏「色恋で鈍るような刃なら…ここで仕事する資格はない。それだけの話だ」


―――――
―――



…それから三日。
お姉さまは、一度も学校に来ていない。

『…お姉さま……』
業「そんなに落ち込まないでよ、結花」
『だって…携帯全く繋がらないし…』
カ「あ、そーだ!新しいケーキ屋さん行こうよ、結花!」
『…ごめんねカエデちゃん…今はそんな気分じゃないの…』
神「結花ちゃん、一緒にお買い物でも行こう?少しは気分転換になるよ、ねっ?」
『うん…また今度、行こうね…』
「「「………」」」
『…はあ…』
業「…結花、いい加減にしなよ。いつまでもそんな情けない態度とるなら、俺もう結花と別れる」
「「「!!??」」」

…カルマくんが少し怒った声を出したので、机と一体化していた顔を上げ、カルマくんを見上げる。…私を見下ろすその目は、怒っているような悲しんでいるような…複雑そうな色をしていた。
“――情は無用だ――”
…烏間先生の言葉が甦る。
…情け………カルマくんも、「無用だ」って言うのかな…烏間先生みたいに…。私に、「ここにいる資格はない」って言うのかな…。

『………烏間先生の、ばか……カルマくんの、ばかぁ…っ…ぐすっ』

(((泣いたーーー!!!)))

業「え、ちょ、嘘!?や、別れない!別れたりしないからッ!!」
『ぅええ……お姉さまぁー…』


…出番を失って教室の外で立ち尽くす“死神”がいたのは、誰も知らない。
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