あんさつ。 | ナノ

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イトナ君のことを自分たちのとこで面倒見させろ、と言った寺坂くん。…だ、大丈夫なのかな。ちゃんと作戦でも立てているのだろうか。それとも、ぐれてる者同士(←失礼)で共鳴するものでもあるとか、心の開き方を知ってるとか…?
あんなに堂々と寺坂くんは言ってたけど、やっぱり心配で皆で寺坂くん達の後をつけて行く。

寺「…さて、おめーら」

…改まった言い方をする寺坂くんの目は真剣。やっぱり、ちゃんとした計画が…

寺「どーすっべ、これから」

…ないんかいっ!!
そりゃ村松くん達も目を点にするよ!本当に何も考えずにイトナ君を預かったの!?
…綺羅々ちゃんの一言で、とりあえず村松くんの家が経営してるラーメン店に行くことに。
私もちょっと忘れかけてたけど、本来の目的はイトナくんの肩の力を抜かせ、触手への執着を無くすこと。イトナ君を、落ち着かせなければ…。
ラーメンを食べ、次に寺坂くん達が向かったのは吉田くんの家のバイク屋さん。
イトナ君を後ろに乗せてバイクを乗りこなす吉田くんは手慣れているようで、加速したと思ったら急ブレーキをかけ勢いよくターンした。…その勢いでイトナ君は茂みに刺さったけど。やっぱり無計画なまま、遊んでいるようにしか見えない寺坂くん一行。そんなんでイトナ君の何かが変わる筈も無く…。
   バリバリ…!
触手が発作を起こし、バンダナを破って暴れだした。
慌てて逃げる綺羅々ちゃん達とは対照的に、血走った目をするイトナ君と向かい合ったまま動こうとしない寺坂くん。
そして、暴走する触手を…寺坂くんは受け止めた。
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