あんさつ。 | ナノ

2

お昼休み、私はカエデちゃんと一緒にお弁当を食べていた。


カ「麻婆豆腐食べに態々中国まで…。やっぱバケモノだよね、あのタコ」
『だねー。本場の麻婆って辛くないのかな?…私、辛いのムリ…』
カ「って言うか、味覚は私達と一緒なの?…って、そこ!?ツッコむところ間違ってない?……結花?どうしたの?」
『…あれ…渚くんだよね?一緒にいるの、寺坂くん達?』


何かを話しているみたいだけれど…寺坂くんって、あんまり好きじゃないんだよね。なんか、恐い…。


カ「どうせ暗殺の計画練ってるんでしょ。そんなことよりさー…」


話題はファッションの話に…。カエデちゃんは、私服が可愛い。私はよく、カエデちゃんの服を見てファッションの勉強をする。カエデちゃんは私の服が可愛いって褒めてくれるけど…お世辞を真に受けるほど、私は馬鹿じゃない。
他人は簡単に信じたりしちゃいけないって知ったから。

―――――
―――



先「お題にそって短歌を作ってみましょう。ラスト7文字を“触手なりけり”で締めて下さい」


…そんな無茶苦茶な。
触手に美しさなんてあるわけないのに。
   …ガタッ


先「お、もうできましたか渚君」


先生からは見えないけれど、紙の後ろにナイフを隠し持っている渚くん。…ナイフって言っても、ゴムみたいなあれだけど。
皆も渚くんがナイフを持っていることに気付いたみたいで、顔に緊張が走ってる。皆が息を呑む中…渚くんは先生に襲い掛かった…けど…ナイフは器用に受け止められてしまった。
(…あれ…?授業中って暗殺しちゃいけないんじゃなかったっけ…?)
   バァァン!!


『ひゃっ!?』


何なにナニ!?何が起こったのか、見てなかった!!
考え事して、ボーっとしてたら急に爆発音がして、びっくりした。


『!渚くん!』
カ「ちょっと寺坂、渚に何持たせたのよ!」


カエデちゃんは、寺坂くんを睨みつける。
…そっか…昼休みのあれは、そういうことだったんだ…。
私は、倒れている渚くんに駆け寄った。…うん、大丈夫みたい。…だけど…渚くんを覆ってる、膜みたいなコレなんだろう…?
…え!?先生の抜け殻!?……タコのくせに、脱皮するんだ…。

…結局、先生のおかげで渚くんは無傷だった。4人ともすっごく怒られてたけどね。


先「殺せた者から今日は帰って良し!!」


(え!?…それ、帰れないじゃん…)


カ「殺せない…先生…あ、名前。“殺せんせー”は?」


カエデちゃん…ナイスネーミング☆


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