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体育でフリーランニングを習い始めてから少し経った頃…。
殺「遅刻ですねぇ。逮捕する」
…殺せんせーは、朝から悪徳警官だった。
漫画を探し回って来たらしく、遅刻した不破さんに悪徳警官(殺せんせー)が手錠をかけている。
そんな悪徳警官が提案したのは…
渚「ケイ…ドロ…?」
殺せんせーと同じ側に立つことになる烏間先生は少し不服そうだったけれど、皆はゲーム内容とルール、私たちが勝った場合のご褒美がケーキと聞いて、やる気満々だった。
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業「結花、無理しないでね」
『でた、カルマくんの過保護性。大丈夫だよ、ちゃんと授業で習った通りにするから』
もの凄く心配そうな顔でこっちを見るカルマくん。
…私、そこまで運動音痴じゃないつもりなんだけどなー。まぁいいや。
杉「ケイドロとかなつかしーよな!」
杉野くんは楽しそうに笑ってそう言う。
…けど、このゲームはそんな呑気なことを言っている場合じゃなかった…。
律「ビッチ先生ぇアウトぉー」
律がスマホから状況を教えてくれるのだけど、次々と人が捕まっていく。
それはもう、カエデちゃんが青ざめるほどに。
杉野くんは「牢屋の泥棒にタッチすれば解放できる!!」と張り切るけれど…
業「…バカだね〜杉野は」
『…殺せんせーの目を盗んで皆を開放できる人なんて、いないと思うけど…』
業「できたらとっくに殺せてるって」
…そう。ラスト1分まで、悪徳警官(超生物)は牢屋の前から動かないと言っていた。そんな中で…一体誰が、皆を助けられるというのだろう。
牢屋まで辿り着いたのはいいけれど、私たちは茂みの中から様子を見ているしかなかった。