平和島静雄×折原臨也/来神/現在/企画「はつ恋」様提出



どうやら俺は臨也が、あの大嫌いで地球上で一番憎いんじゃないかってくらい目の敵にしていた折原臨也のことが、好きらしい。
所謂恋だ。
ここまでちゃんと自覚したのはいいがどうしたらいいかわからない。
これまで恋どころかまともに人付き合いすらしていないのだ、いきなりこれはハードルが高い。
新羅に相談したら臨也なところには突っ込まれたが男同士である事実については何も言われなかった。
変人だがそういう面では偏見がなくいいやつである。
ああ、それで、新羅からのアドバイスはとりあえず告白しろ、というような内容だった。
確かに俺に合ったシンプルな方法だ。
あまり策を弄したりだの、細かく駆け引きしたりだのは得意じゃない。
というわけで思い立ったが吉日、と新羅と共に6組へ向かっている。
だが臨也の姿は見あたらなく、近くの奴を捕まえて聞いたところによると昼はいつも屋上だかどこだかに門田とかいうやつと行っているらしい。
もたもたしていたら昼休みが終わりかねないので急いで屋上へ向かう。
扉を開けると知らない男と驚いた顔の臨也がいた。

「臨也、俺、てめえのことが、」
「ごめんなさいっ」



「でさあ、あの時の静雄の固まりっぷり!もう今でも忘れられないね!」
「新羅すごい笑ってたもんね……」
「あの時はちゃんと告白すらもさせてもらえないのかと不憫で不憫で」
「新羅……てめえ……」
「静雄、落ち着け」

今日は、お祝いをするから、ということで臨也の家に招かれた。
なんでも付き合い始めてから5年たった記念、だそうだ。
そういうのは2人でやるもんじゃないかと思ったが、世話になったから俺らにも来てほしいと言われれば悪い気はしない。
確かに付き合い始めてからは喧嘩をした臨也の愚痴を聞き、意外とヘタレな静雄の背中を押し、時には新羅と連絡をとり仲介し、とそんな風に生活していた。
なんだかんだで一緒にいることが楽しくなり、4人でいることが自然と多くなっていたのだが。
この4人で遊びに集まることは卒業してから稀だったからどうなることかと思ったが、飲んで食って昔話に花を咲かせ、特に問題が起きることもなく楽しんでいる。

「あ、でね、2人に報告があるんだ。ね、シズちゃん」
「ん?ああ、そういやそうだったな」
「なんだ?」
「そろそろ籍でもいれるーとか?」
「新羅、それ日本じゃ無理だから」
「まあ似たような話だろ」
「……は?」

似たような、話?
籍入れるのと似たような話ってつまりどういうことだ?
そういや前に知り合いの同性愛者で結婚はできないから、って養子縁組みしたやつらもいたが、そういうことか?

「で、なんなの?」
「俺たち同棲することにしたんだ」
「いい機会だしな」
「お前らこれまでも半同棲状況だったじゃねーか」
「今更それくらいじゃ驚かないよ。養子縁組みでもするのかと思ったのにー」

どうやら新羅も同じことを考えていたらしい。
確かに同棲ぐらいじゃ驚きはしないが、同棲したら同棲したでこれまで以上に喧嘩したり愚痴言ったりすんだろうな。
これからの苦労を考えると苦笑とともにため息まで出てきそうだ。
でも2人の幸せそうな様子を見てるとそれぐらいの迷惑なら被ってやるかという気になってくるから不思議だ。
まあそれは、こいつらがいつだって互いに全力で、

全身で、恋をした。
(から、だろうな、やっぱり)






まず、企画「はつ恋」の藤崎様、参加させていただいたお礼と大遅刻しご迷惑をかけてしまったお詫びを申し上げます。

やっとくっついたよ!
もとから考えてた話からはちょっと…いやかなりズレちゃったけど、うん、これはこれでいい、よね?
とりあえず告白のときは新羅とドタチンを同席させたかったのでよし。

2011.01.04



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -