「ゲホッ、づぎあっでよ千歳ヂャン」

8日目の朝、登校中。
いがいがする喉、咳に鼻水。
どうやらオレは風邪を引いちまったらしい。
季節の変わり目ってヤツはどうも苦手だ。
口元はマスクで隠して、
千歳には移さねェようにしねぇとな。

「え、ちょ、どうしたの?風邪?大丈夫?
 なんで来たの?」

でっかい目をまん丸にして心配そうに千歳はオレに駆け寄る。これだけで風邪を引いた甲斐があったなんて思うオレ。
にしても何で来たは言い過ぎじゃねーの千歳チャン。
オマエに会いたいからだっつーの、
そんくれーわかれバァカ!

「毎日言うっで、ぎめでっがらァ...」
「バァカちゃん!
 今日はこのまま帰りなよ、先生には言っとくし!
 その話は元気になってからね」

ちっちぇ冷たい手がオレのデコに触れて、少し背伸びしてる千歳、ンだこれ可愛い天使かよ。
元気になったらホントにちゃんと聞いてくれんのォ?
だったらオレは来た道を引き返す、全力で。
絶対死んでも治してみせっから!



一日一荒北 8
day.8 / 2017.06.18

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