オレら以外誰も居なくなった部室、一人残って部誌を書く千歳の隣で机に突っ伏してそれを見ていた。
小さい手が紡ぎだす丸っこい字、荒北と書かれた二文字が特別輝いて見える。
オレの目はどうかしちまってんな。
「本気なんだけどさァ...マジで」
「うん」
「付き合ってよ千歳チャン」
「うーん」
カリカリと文字を書く音が耳につく。
煮え切らない返事して、
ちゃんと聞いてんのォ千歳チャァン?
「オレァ何回断られても諦めねぇよ?」
「それは困ったなぁ」
ノートに添えてる左手にそっと触れても
千歳は拒絶しなかった。
ずりぃな千歳、期待させるだけさせといてこんなのってないんじゃナァイ?
「だからさァ、早くイイヨって言えよォ」
一日一荒北 7
day.7 / 2017.06.17
day.7 / 2017.06.17