男には、無性にムラムラする日ってヤツがある。

何かすっきりしねェっつーか、モヤモヤするっつーか、なァんか妙に下半身に違和感があるっつーか。
目覚まし時計の音で目が覚めて、天井を指すそれは
健全な男子高生の証、致し方ない生理現象だっつっても朝の一番時間がねェ時にそゆの困んだよなァと寝ぼけたまんまの身体起こしてガリガリ頭を掻きながら欠伸を一つ。体ン中にある異変を自覚して一人唸ってみるが、現状は変わらねェ。
何て言やいいかわかんねェけど兎に角サカってるってコト、いつもならすぐ鎮火するはずのコレも元気に上向いたままだしよ。
一発出しちまえばまぁそれなりに収まりもつくんだろうが、残念ながら右手のお世話になってる時間もねェ。
ガッコ休みの日までチャリ漬けの毎日、今日の練習ローラー2時間からだっけェ?だっり。
さっさと着替えて飯食って歯ぁ磨いて、ってどーすんのコレぇ、レーパン穿いたらモロじゃねーか!
サイジャに着替えたはいいものの、盛り上がった下半身は依然自己主張を続けたままで、オレはどうしたもんかと立ち尽くす。やっぱ抜くしかねェかとレーパンに手を掛けたところで部屋の扉がドンドン鳴った。

「う、ぉっ、何ィ、誰ェ?」
「靖友、起きてるかー?部活行こうぜ!」
「っだよ新開かよ...わり、先行っといてェ」
「おめさん寝坊か?珍しいな、じゃ先行ってるぜ」
「...おォ」

扉越しの新開に、おっ勃ってっからまだ行けねェ、なんて口が裂けても言えやしねェ。
あ、いやでも新開が驚かせてくれたお陰で息子はちったぁ下降気味、この流れのままどうにかなってくれ。
畳み掛けるように脳内妄想力をフル稼働する。
えーとォ、萎えるネタ、萎えるネタ...
泉田の胸筋、新開の腹チラ、福チャンの生尻...
よしよしイイ子チャン、こンまま大人しくしてろよォ。
ようやく外出ても大丈夫な程度ンなった頃には時間ギリギリ、慌てて鞄を引っ掴んで部屋を出る。
無駄に時間ロスっちまった、朝からきめぇモン連想させやがってクソッ!
幸先の悪い朝に悪態を吐きながら、オレは寮の廊下を駆けてった。



荒北靖友の劣情 1
morning / 2017.05.01 / 11.12加筆修正

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