目が醒めると知らない女の部屋に居た。

部屋の主が見当たらないので女の部屋だと断定出来るわけではないが、暖色のカーテンに薄ピンクのベッドシーツ、枕元に佇むクマのぬいぐるみを見る限り多分間違いではないだろう。ひとまずベッドから出ようと重い頭を持ち上げれば、こめかみから脳幹に向かって鈍い痛みが走る。
…成る程、俺は昨晩少々飲み過ぎたようだな。
現状は何となく理解した。
だが理解したからといって平静を保てるのかと問われれば答えは否で、無意識にかけてもいない眼鏡を取ろうとしている時点で俺はどうやらこの状況に大分混乱しているようである。半ば癖のようになっているそれが精神安定剤の役割も持っていたとは...なんて今そんな考察をしている場合ではない、兎に角昨晩の記憶をどうにか思い出さなくては。

確か昨日は───



似非淑女の本懐 1 / 2018.04.15

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