ヴーヴー震えるスマホの音で目が覚めた。
窓から差し込む日の光が眩しい上に暑い。首筋がじっとりと汗で濡れている。レールにぶら下がった薄っぺらい布は日に透けて何の役にも立たねェ、やっぱ安モンのカーテンは駄目だな。
重てェ頭を持ち上げて目覚まし時計を見ると、時計の針はもう8時を過ぎていた。

「やっべ!遅刻!!」

腹に掛かってた布団をぶん投げる勢いで身体を起こしてから気付く、今日は2限からなんだった。
だから昨日チャリ部の飲み会に行ったんじゃねぇか、8時っつったら2限全然余裕どころか2度寝しても間に合うくらいだ。
あーもー慌てて損したァ、思わず深い溜め息が出る。
二日酔いとまではいかねぇものの多少痛む頭をガシガシ掻いて、オレを起こした犯人を見た。まだ光ってる液晶に映ってんのは"受信メール1件"の文字。
連絡ツールがメールからLINEとかいう便利なアプリに取って代わって、滅多に使わなくなったそれの送り主が誰かなんて中身を見るまでもねェ。
あの日以来、律儀にも雨を知らせるメールが来るようになって、今来たのも多分それだろう。
親切だよねェ、白崎チャン。
しかしカーテンを開けて見る限り、今日は晴れてて雨の兆しのカケラもねーけど?
頭ン中に疑問符を浮かべつつ、画面に出てるアイコンをフリックすると、届いた文面がそこに映し出される。

『おはようございます、今日はいい天気ですね!
 でも夕方から雨が降るって予報してました。
 本当かなぁ?
 一応折りたたみ傘をと思ったのに鞄に入れ忘れた
 みたいです今気付きました。ショックです...
 帰る頃まで天気が持ってくれたらいいんですが...
 荒北さんは折りたたみ傘、お忘れなく!』

「ハッ!ドシっ子かよ、白崎チャン」

なんとなく落ち込んでる白崎チャンの姿が目に浮かんで、つい笑っちまった。
了解、雨降らねーといいな、っと打ち込んで送信ボタンをタップする。軽快な送信音が聞こえてからオレは携帯をベッドに放り投げた。重い腰上げて伸びをして、そうだな時間に余裕もあるしよ。

「ッシャ、久々に朝メシでも作っかぁ」



AとJK 3-1
お知らせメール / 2017.08.18

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