季節の言葉 | ナノ

◆秋高し(あきたかし)
秋になると大気が澄むので、空が高くなったように感じること。
秋によく見られるすじ雲(巻雲)、うろこ雲(巻積雲)も空の高さを感じさせる。
◆錦秋(きんしゅう)
木々が紅葉して、錦(にしき)の織物のように美しい秋。
錦とは何色もの色糸で地色と模様を織り出した織物の総称だが、美しいもの、りっぱなものを例える言葉でもある。
なお、同じ読みで「金秋」という言葉があるがこれは五行の金が季節では秋にあたることからできたもので、紅葉の時期だけでなく広く秋をいう。
◆秋麗(あきうらら、しゅうれい)
たんに「うららか」というと春の季語だが、「あきうらら」というと秋晴れの心地よい気候でのどかなことを言う。
◆秋入梅(あきついり)
「あきつゆいり」が音変化して「あきついり」となる。
秋雨前線がかかって梅雨のように降り続く秋の雨を言う。
◆山粧う(やまよそおう)
北宋の画家・郭煕(かくき)の「秋山は明浄にして粧うがごとく」から、秋の山が紅葉によって色づくようすを言う。
◆冬隣(ふゆどなり)
まわりの景色や雰囲気から冬の気配が感じられる晩秋のこと。
◆秋の日は釣瓶落とし(あきのひはつるべおとし)
秋の日はすぐに落ちて、暮れるのが早いことのたとえ。
井戸で水を汲む時、手を放すと釣瓶が勢いよく落ちていく様から。
◆秋晴れ(あきばれ)
秋に空気が澄んで晴れ渡っている空の様子。
台風が過ぎ去った翌日などに見られる、清々しい天気のこと。
「秋日和(あきびより)」も同じ意味の言葉だが、「秋晴れ」の方が日常的に使われている。
◆花野(はなの)
花がたくさん咲いている野原、特にすすきや桔梗など秋の草花が咲く野原のこと。
「花野道(はなのみち)」や「花野風(はなのかぜ)」なども同じ意味の季語。
◆銀杏黄葉(いちょうもみじ)
イチョウ(銀杏)の葉が黄色に染まった様子。
よく街で見かける身近な存在の植物で、全国的に11月上旬から下旬くらいが見頃。