だから待ち合わせが好きなんです

お題は「確かに恋だった」様から頂きました。


君とこうやって待ち合わせをするようになってもう何回目だろうか?
いつも必ず俺は、待ち合わせ時間より15分早くその場へ行く。
待ち合わせ場所は決まって、駅前の広場。
そこは、初めてのデートの時から変わらない。
今日は、日曜日だから広場は待ち合わせのカップルや友人同士で溢れていた。
そんな人ごみの中、俺は初めてのデートの日のことを思い出していた・・・・


******


君と付き合い始めたのは今から3年前。
告白したのは俺の方からで、君はとても驚いていた。
それも当たり前だ。
付き合う前の俺たちは、町でばったり会えば喧嘩ばかり。
俺も何であいつを好きになったのかわからない。
気づいたらいつもあいつのことを考えたいたんだ。
告白してOKをもらって、初めてのデートの約束をした。
その日は青空で、春らしい心地よい風が吹いていたのを覚えている。
あの日は、早く屯所を出てしまい待ち合わせ時間より30分も早くついてしまった。
それほど君とのデートが楽しみだったんだ。時計台に寄りかかり、君を待った。
待ち合わせの5分前に君は来た。

『悪ぃ、待った?』

罰が悪そうな顔をして君はそう言ったんだ。

『いや、今来たところ。』

無愛想にそう言えば君は満面の笑みで「よかったぁ」って言った。
その笑顔はもう、何て表現すればいいのかわからないほど可愛くて・・・
君より早く来たかいがあった、なんて思った。


*****


その笑顔がきっかけで俺は、君より早く待ち合わせ場所に来るようにした。
“よかった”って笑う君を見たいから、なんて自分でも馬鹿な理由だと思うけど。
でも、理由はそれだけなんだ。だから、今日も君を待っている。
そうすればほら・・・

「土方っ!!!」
「そんな慌てんな」
「ごめんっ遅れた?」
「いや、ぎりぎりセーフ」
「よかったー!!」

お決まりのセリフで君は笑うから。

だから待ち合わせが好きなんです
(これからもずっと待ち合わせをしよう)










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