01 (注:赤と青の夢現設定です)


「これは?」
「これはここに付けて…っと」
「へぇ」
「こうすっと威力が増すんだ」

うららかな午後の日差しが眩しい甲板の片隅をふと見れば、ヤソップとバギーが床の上に座り込んで何かしら話し込んでいた。
ヤソップの手が忙しなく動いているところをみると、新しい武器でも作っているのだろう。それをもの珍しそうにバギーが覗き込んでいる。
たかがパチンコのクセに見た目以上の威力を持つそれに、バギーは今気を取られているらしい。造り方を教えてくれと言ったのかどうかは知らないが、手元を覗き込んではあれはこれはと質問し、それに丁寧に答えてやっている様子は、年の離れた兄弟のように見えなくも無い。
もっとも、そんなことを言うとガキ扱いするなとバギーは怒るのだろうけど。

「で、これで狙いを定めるっと」

出来上がったパチンコをゴムを伸ばしてビンと弾く。どうやら思い通りのものが出来上がったらしく、ヤソップは満足げだ。貸してくれと手を出すバギーにも笑顔で答えてその手に出来たばかりのパチンコを乗せてやる。
バギーはそれを縦横に眺めたりゴムを引いて狙いを定めてみたりとやはり興味深そうにしていて。

「やろうか?」
「え?…そうだな」

まじまじと眺めるバギーにそう言えば、バギーは少し首を傾げてみせた。その姿はやはり幼く、とても年相応には見えない。
少し考えて、バギーはいいと首を振った。

「自分の武器は自分で作る」
「そうか」

じゃぁ頑張れよ。と、ヤソップが頭を上げたそこにコツリ近付く足音。
何だと思って見上げると、今そこに居たはずのバギーの姿はどこにも無くて、何すんだコラというバギーの声を目で追ってみる。
するとバギーは腕を引かれてシャンクスに連れて行かれる所で、ヤソップは軽い溜め息と共に自分の作業に集中するべく手元に視線を戻した。

シャンクスはパタパタと暴れるバギーを担いでもともと座り込んでいたマストの下に来るとそこに座り、自分の隣にバギーを座らせた。

「何だよお前は」

ペシ、と手を叩いたバギーに、シャンクスがふっと口角を吊り上げて見せるとバギーを抱きかかえる。

「お前はココ」

すとんと自分の膝の上にバギーをおろし、有無を言わさぬ調子でシャンクスが言い放った。



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1.お前の席はここだろ?と手を引かれ隣に座らせられる


膝の上になっちゃいましたが…