出会えた軌跡



20数年ぶりに再会した元同僚は、まるで昨日まで会っていた仲間の様に、以前と同じ顔と声で自分に笑いかけてきた。

「よぉバギー、俺と一緒に来ないか?」

あの時は無下に断わったその誘いに乗ったのは、手っ取り早くこの海域を脱出する為の手段で。
決して、こういう意味での事では無かった事はお互いに分かりきっているはずだ。
なのに。
何故か俺は今あらぬところにコイツを受け入れている。

「ってどーいう事だこのスットンキョーがぁっ!」
大声を出したからか、シャンクスを受け入れている場所がギチリと悲鳴を上げた。それに、人の上にのしかかっているこの男がはぁと恍惚の表情で息を吐き出す。
「あぁ相変わらずバギーの中は気持ちいいなぁ」
「って人の話を聞けぇい」
言いながら腰を打ち付ける男の頭をスパァンと小気味良い音を立てて叩けば、何の事は無いとへらり口元をだらしなく緩ませた。
「すごい締め付け」
そんなに俺と会いたかった?
なんてぐりぐりと額を肩口に押し付けながら聞いてくる。
「んなわけ…っぁ」
ぐんと中でグラインドしたシャンクスに声を詰まらせた。耳元でくすくすと楽しそうに笑う声が聞こえて舌打ちする。
「バギーのイイトコロも変わってない」
言ってべろりと耳の後ろに舌を這わせて同じ所ばかりを擦り上げ擦り降ろす。止めろと言ったところで素直に止める様なヤツではない事は、十分に知りすぎているのだが、止めろという言葉以外出てこない自分にも密かに舌を打つ。
だが、俺の静止の言葉に僅かに鼻を鳴らしたシャンクスは、耳たぶを嬲り20年前よりも低くなった声で無理だと笑った。
「20年分、溜まってるからな」
ずるり、ギリギリまで引き抜かれた楔に息を呑み、まためり込んでくるそれに口を噤んで息を殺していると、不意にシャンクスの動きが止まった。額を付き合わせる様にして顔を覗き込んでくる。
「前みたいに啼いてくれねぇの?」
「ふざけん、なっ」
ガキじゃあるまいし、誰が泣くかと見上げれば、そうじゃないだろうと唇をざらついた指先で撫でられ眉を寄せた。
いいからとっとと抜きやがれとまた頭を叩くと嫌だねと口元を三日月型に歪ませてまた腰を動かし始める。
ぐちぐちと湿った音と乾いた身体のぶつかる音が混ざり合って部屋に響くのが耳障りだ。
サカリのついた子供でもあるまいに、ただ打ち付けるだけのそれに声なんか出るかボケが。
ヘン、と鼻を鳴らし襟首を掴むとその顔を引き寄せた。
啼かしてみろよ。
そう口角を引き上げる。
すると一瞬きょとんと俺を見下ろしたシャンクスの瞳がすっと細められた。
「上等」
存分に啼かしてやるよ。
言われたのと同時に下半身にズンと重い衝撃が加わって。

「あ?…っあァっ」

気がつくと、悔しい事に俺は頭を仰け反らせて喉をヒクつかせていた。



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シャンクスが本気出せば啼くしかないだろーて←