艦これ無糖話///


ひそひそと声がする。またあの子たちが話しているのだろう。元気なことだ。

「新しい子?あちゃー、こんなとこに来ちゃうなんて不憫ですねー」
「えぇ?不憫…?」
「しー!しー!そっ、そんなこと言ったらだ、だめですよ!」
「でも事実ですよっ!ほかの子達にした取材からも明らかですっ」
「…そ、そうなんですか…?」

やれやれ、低予算司令部の壁の厚さを舐めてもらっては困る。そうだ、明日の演習、青葉くんには頑張ってもらうことにしよう。

「……なんの話だ」
「あ、長門さん!いえねー、ぶっちゃけ、ここに配属って不憫だなーっていう話をですねー…」
「…あ、青葉ちゃん…それくらいにしておいたほうが…」
「何を言ってますかー、羽黒ちゃんだって本当は…」
「えっ、えっと、わ、私は…その…」

……まったく、あの子たちは暇なんだろうか。整備の一つでもしたらいいのではないか、と思いながら、あの子たちもやはり女の子らしいとため息と同時に捺印をする。書類が終わらない。だんだんと廊下が騒がしくなっていく。会話の内容はこの司令部に配属された文句と、そう、私自身への不満だ。これは…これは実は遠まわしの私への意見なんだろうか。それとも、ただ単に壁が薄いと思っていないのだろうか。だんだんと書類を片す速度が落ちているのを見て、お茶を入れてきた鳳翔が苦笑した。外からは提督の鬼だの悪魔だのと散々な言われようで、その半分以上が本心のようでなかなか落胆した。


書類は当然、今日中に終わることはなかった。


mae  tugi
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