神々
神々

巨大な目が私を見た。蠢く触手が私に伸ばされる。
火星がまたたいた。遠くの星が今目前に迫る。
プレヤデス星団が落ちてくる。知らぬ湖に私は立っていた。
遥か遠くの夢だ。黄色い衣がはためくと、石版が現れた。
虚ろな森で巨体に押しつぶされようとしたとき、火が燃えている。
黒々とした木々を焼き払い宇宙へ帰る炎の先をみた。
一歩を踏み出した私は階段を駆け下りる。
背後から迷路が追いかけてくる。
広いそこは門の前だった。
おののく私をよそに、傍らの男が鍵を差し込む。
一にして全、全にして一、全てがそこにある虹色にめまいがした。
倒れ込んだ私はいつまでも落ち続ける。
干からびた手が。黒い翼が。無数の目が。赤い光が。
粘着く液体が。虫のような羽音が。笑い声が。
象の頭が。蜘蛛の糸が。美しい男が。菌糸が。花のような女が。
四足が時空から私を見る。撫でていく腕が。
腕が。光が。声が。歌が。音が。私を。私を。私を。

目の前で踊っている。踊っている。



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クトゥルフっぽいやつ
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