■ ◇今日も彼らは元気です

これの続き


「なあなあなあなあッ!影崎がオレたちのチームに入ってからもうしばらく経つだろォ?だったらよォッ!やっぱ影崎もそれなりな恰好をしねーといけねーと思うんだよなァ・・・。なのに肝心の影崎の服はちっともパッとしねえ地味ィ〜〜な服ばっかりじゃあねぇか―――だろ?で、しょ〜がね〜から今日はオレたちで影崎の格好を見繕ってやろうってワケだ。分かったか影崎ってイッテェなオイッ」



つまり、今日一日俺らと服選びをしようと、ホルマジオことマジオがある日突然そんな事を言い始めたので、俺は今、彼らが選んできた個性的すぎる服を腕を組んで眺めていた。因みに目は遠い。ええ。想像して頂こう。彼らの普段の服装を。そしてそこから推測してみよう。彼らが持ってきた服のデザインを。・・・・・な、想像できるだろ・・・?




「とりあえず片っ端から着てみるべきだと俺は思うのだが」
「いやいやいや、ちょっと待ってリーダー。俺今のままで十分なんだけど、なんで服を一新する必要があるかな?うんうんないない。そうだそんな必要はない。即ち俺スーツのままでよくね?という事でどうでしょう」
「・・・さて、まずは俺が持ってきた服だが」
「聞く気ゼロかおい。ひどいなおい」
「何だよ影崎。てめーまさか俺らの選んだ服着てくれねえのかよ」



そう言ってジト目でコチラを見るマジオの言い方が若干拗ね気味なのはマジオが今回の着せ替えの発案者だからに違いない。いやいやマジオ。よく考えてみ。俺の服装ただのスーツといっても一応フォーマルに分類される奴だよ。地味に見えるのは元々の顔立ちなんだからしょうがないんです。つまり何着ても地味なのは変わらない。さあ諦めてくれ!



「その為にわざわざ地味顔を凌駕するような服を皆選んできてやったんだ。感謝しろよ?影崎」
「さすが兄貴ィッ!旦那への配慮も読心術も完璧っすねッ!」



壁際で腕を組んでコチラの会話を聞いていた兄貴がそんな事を言うので、俺は劇的にビフォーアフターしてしまう某匠の曲をBGMに膝をついて頭を抱えた。なんということでしょう・・・リーダーだけじゃなくてこいつら全員全く聞く気ゼロだ・・・。あああ、頼むから俺をビフォーアフターしないでくれ・・・ビフォーでいいんだ俺は・・・大改造しなくていいんだよ・・・。てか大体お前ら暗殺者が派手じゃダメだろ・・・地味でいいじゃない・・・。



「チッ、おい影崎。てめーよォーーーッ!!もしかして暗殺者が派手じゃあダメとか考えてんじゃあねーだろォなあッ?!逆だぜ逆!むしろ派手でも仕事はキッチリこなす『腕は折り紙付き』って奴がいいんじゃあねえかッ!!・・・いや待てよ?腕っつーのはよぉ・・・折り紙がくっつくとこなんてねえのによぉ・・・なんで『折り紙付き』っつーんだよックソックソッ!!オイ影崎ッ!!よくも俺に『折り紙付き』っつー言葉吐かせやがってッ!!気付いちまったじゃあねえかッ!!クソッ胸糞わりぃぜッ!!!オレはよォ!!」



いや知らんがな。と思いながらキレだしたギアッチョをほっといて、せっせと鏡の中から服を嬉しそうに運び出すイルーゾォにストップをかけた。・・・いや俺着ないから。それ着ないから・・・。
って、ちょっと待って、イルーゾォそれ・・・どこかで見覚えが・・・。



「なんならオレとお揃いの服でも着るブフォ」
「メローネの服だけは勘弁してくれ!!!!!」



思わずそこら辺に置いてあった灰皿を鏡から出て来た半裸男の眉間にクリーンヒットさせた。
なんで脱いでんだよてめーは!!!変態か!あ、ごめん変態だったね・・・。ごめん変態。謝らないけど。・・・はあ・・・まあつまりは結局。




今日も彼らは元気です




(いや、今日も明日も着ないからな!!!)(((((((えー)))))))




みぞれ様リクエストありがとうございました!

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