生体〜人間〜


ここは自分の居場所じゃない気がして
逃げたいと思った
逃げる場所などないのに
バカらしくて自分を嗤った

常に陸に足をつけ
生きていく毎日にもう飽きた
嫌気がさして空を見上げた

人間の発達しすぎた2本足
これは「足の進化」と呼ぶべきか
「手の退化」と呼ぶべきか

剥き出しの肌 陸で生きるには
一番適していない皮膚
これは進化か退化か

数えきれぬ感情を持った人間
憎しみや恨みの負の感情を持った分
愛や憂いの感情も持ったと
誇らしげに語るけど本当に?
本当に誇るべきことなのか?

本能じゃない感情のせいで
幸・不幸の差が如実で
一つしか持たない命も奪われる

「生きる」ためじゃなく「満足」のために
奪う命は人間だけ
奪われる命は計り知れず

人間の脳はずば抜けて大きくて
しわも数えきれないってさ
感情の数だけしわがあるんだろう
もしかしたら奪った命の数かもね

人間程群れる生物も珍しかろう
群れの中で殺し合いなんざなおさら
平和を願いながら平和を殺す

常に群れに属して生きる
日々「1人」の無力さ
感じて呆れて海を眺めた

人間の発達しすぎた2本腕
これは「手の進化」と呼ぶべきか
「足の退化」と呼ぶべきか

「人間」という生物に疑問を持つけれど
「人間」を愛する矛盾の感情
自分もまた「人間」としか生きられない



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