本題へ

「それで、今回依頼いただいた絵のことですが…」

私は痺れを切らし本題へ移ろうとする。

「あぁ。噂についてはご存知でしょう?」

「はいもちろん。」

明らかに上から見下したような妻の物言いにカチンときた私は即座に返事を返す。

「その噂の真相を明らかにして欲しいのです。」

妻は私のささやかな反抗に気づく様子もなく話を続ける。
それが余計に私を苛つかせる。

「はい。では早速、絵を見せていただいて宜しいでしょうか。」

「えぇ。ではこちらに。」

貴婦人が歩き出すとそれに娘・息子がついていき、その後をゾロゾロと両家の親族がついていく。

「は?」

置いて行かれた私は最後尾を仕方なしについて言った。

これが招いた客に対する対応か?

と思いつつ、最後尾なのを良いことに不快さを存分に表情に出しながら歩いていった。





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