終わり


女性は天に行った。

室内は静まり返っている。

「ご依頼完了…ですね?これで曰くはなくなる筈です。」

勝ち誇ったように私はお貴族様たちに言った。

「これらの絵はもうただの絵なので転売しても、極端な話、燃やして捨てても害はありません。…ただ、先程の女性の魂はもう宿ってないので以前程高額には売れないでしょうが。」

お貴族様たちは未だに一言も発しない。

「あぁ、それから、あの女性によって不幸が起こった人たちは良い方向に向かうでしょう。」

私は軽く身支度を整える。
そして世話役らしき男性に言う。

「門までまた車で送っていただけますか?」

世話役らしき男性は、はい、と答えて部屋を出て行った。

私も部屋から出ようとしたが、足を止めてはっきりと言った。

「ご依頼料は今回、想定外の難易度の高い除霊でしたので300万上乗せで800万円になります。指定した口座にお振り込み下さい。」

破格な依頼料にさらに破格な金額を上乗せしてやった。
これくらいお貴族様ならどうってことない。
というか、今の呆けてる状態なら1億と言っても通る気がする。

私は勝ち誇った顔で部屋を出た。





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