- 4 -

その時、私は女の子はどうしてるかと視線を下げる。女の子も私たち同様走っていた。ただ、怖がるわけでもなく無表情で。しかし私は感じ始めていた。この子は人間ではないと。
私たちは走って逃げているわけだがここはホテルの通路。気づけば「助けて!!」と叫びながら走っていた。どこかの部屋の人が出てきてくれることを願って。
しかし何故か誰も出てこない。叫んでいるのに聞こえないのか?通路の突き当たりが見えてきた。逃げきることは不可能だと思った。どんどん突き当たりが近くなる。
その時、突き当たりの壁の横の部屋から男性が1人出てきた。
「何があったんですか」とドアを開けながら言う。私は「助けてください!!」と部屋に飛び込みドアをすぐ閉める。しかし、閉めた瞬間K子のことを思い出し、ドアを急いで開ける。するとK子は私の一つ手前の部屋のドアを開けて女の子と入っていった。化け物はどんどんこちらへ向かってくるので私も急いでドアを閉めた。
「どうしたんですか?」と男性は状況が解らず聞いてくる。しかし私は一刻も早くK子と連絡を取りたかった。「フロントに聞けば隣の部屋の番号教えてもらえますよね!?」と強い口調で男性に言う。男性は眉をひそめながら「あぁ、まぁ…」と相槌を打つ。私は急いでフロントに電話をかける。
『はい、フロントです』
「すみません隣の部屋の番号を教えてください」
『はい?』
「隣の部屋の番号早く教えてください!!」
『あの…お客様、本日隣は誰も泊まっていませんが。』
「でも今さ……っき」
私はハッとした。ホテルのドアはオートロック。鍵無しで部屋に入るには私のように中から開けてもらわないと不可能。なのにK子はK子の手でドアを開け、女の子と共に入っていった。そして、
「あの〜…何があったんですか?」
『お客様?』
「K子は今あの子と2人…」



K子は今、無事だろうか?


【終わり】

- 4 -


[*前] | [次#]
ページ: