ピエロの成り方



姿

 町はずれまで来た。木にとまり、バッグを枝に引っ掛けたものの、鷹に戻ってどうしよう。また人の姿になれるのだろうか。
 人の姿から鷹に戻った時の事を思い出す。何も考えてなかった。ただ、鷹のときの感覚を思い出してた。
 同じようにすれば人にもなれるのか?

 …そう簡単に上手くことが進むわけが…


 あった。

 人の姿の自分を思い、自分は人の姿だと思って目を開けた。自分は人の姿だった。

「は?」

 こんなにも上手くことが進んでいいものなのか?

 苦労しない方が自分的には良いけども。


「あ。」

 自分の体の不思議について考えながら、ふと脳裏によぎった姿。

 バルトロ。そして次期社長。この二人には人の姿から鷹になったところを見られているかもしれない。それを他の人間に広められたら、人の姿でも生きにくくなる。それはまずい。他言するまえにどうにかしなくちゃ。

 こんな町はずれの人がいないところで心配など要らないだろうが、一応枝や葉でバッグを隠しておく。

 そして、再びあの家へ向かった。
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