旧夢 | ナノ

▼プロシュート&ホルマジオ:初体験するJK

学校の子、ルジーナから携帯に電話が来た。
緊急用にリゾットが持たせたもので通話料もバカにならないので此方から掛けることはまずない。
それなのに高校生が持っているのは珍しいとかで面白がってクラスメイトからの電話がよく鳴る。

「学校で話せばいいのに、わざわざ電話してくる意味がわかんない。」
「そう言わないで!大事なことなの!」

電話の向こうでクラスメイトががなる。
私目の前ではコーヒテーブルを挟んでホルマジオが寛いでいる。

「大事なことなら警察呼んだら」
「意地悪ね。話ってのはミンディのことなのよ。」
「ミンディ?アメリカ系のミンディ?彼女がどうしたの」

「ミンディが処女をあげちゃったんだって!」

この金切り声がホルマジオの声に届いたらしい。
ホルマジオは吹き出してこっちを見た。
ワーワー喚く電話の声をもっと拾おうと隣に移動してくる。
当たり前のように肩を抱かれ、此方もいい加減そんなスキンシップには慣れているので一瞥もくれてやらなかった。
要約すると、ミンディは電話越しのルジーナに恋愛相談をしていたが、相談していた男ではない男と"寝た"らしい。

「それってルジーナの好きな人だったの?」
「そういうわけじゃないけど、あれだけ相談に乗ってあげたのに」

くだらな過ぎて開いた口が塞がらない。
恋敵でもなければ問題はないじゃないか。
それなのに電話越しのルジーナは世界の終わりかのように真剣な声なのだ。

「お、何してんだ?」

プロシュートが帰ってくると私たちの様子を見て言った。
そしてホルマジオとは逆の、座るスペースはないので肘掛けに腰を下ろす。プロシュートのムスクの匂いが鼻をくすぐる。
今まさに両手に花だというのに、何が悲しくて他人の処女の話を聞かされているんだろう。

「別にいいじゃないの。ミンディが誰とセックスしようが。」

私の発言に話の大筋を理解したのか、プロシュートが鼻で笑う。
それから私の頭上でホルマジオとプロシュートが何やらやり取りをしているがどうでも良い。この会話もどうでもいい。凄くつまんない。
プロシュートが興味をなくして立ち上がるタイミングで私とルジーナの不毛な会話も終わった。

「ファーストキスもしたことのない貴女に話しても無駄だったわね」

ルジーナの捨て台詞は一際大きく響き、直後にブツリと電話がきれた。

「お前、ファーストキスもまだなのか」

ホルマジオが揶揄うように笑った後、しょがねーなぁ、と溢す。
プロシュートが振り返る気配を尻目に、別に事実なので私は頷く。

「経験が無いってだけでナメられちゃうみたいね。」
どうでも良いけど、と続けようとしたがプロシュートに顎を引かれ、素直に上を向いた瞬間に口を塞がれた。
唇を吸われ割り入ってきた舌で口内を舐められ、最後に舌を甘く吸われながら唇が離れた。
全て一瞬のような永遠のような感覚が残る私に、プロシュートがハン、と笑う。

「これでもう舐められねぇな。」

放心する私を気にもせずプロシュートは煙草に火をつけている。
プロシュートの開かれた襟元やスカーフの巻かれた首が妙に視界に入ってきて慌てて俯いた。
ホルマジオが
「子供には刺激が強すぎたみてぇだぜ」、と髪を掻き分けて私の熱い頬を撫でた。
途端に隣に座っているホルマジオも男の人なのだと認識してしまう。
男だって事はずっと解っていたはずなのに。一体何が起きたのだ。
俯いたまま動かない私を見てプロシュートとホルマジオが笑う。

「ほら、泣くなってたかが…」
笑いながら、ホルマジオが私の顔を起こす。
泣いたと勘違いさせたらしい。キッと睨んでやろうと思っていたがそうもいかなかった。
二人とも私の顔を見て笑いをやめた。

「お前その顔すげぇソソるぜ…」
「絶対にその顔するなよ、特にメローネの野郎の前では絶対だ」


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