「ゆぅぅうううきぃぃい!」
「おはよ……ってうわっ、なにそのひどい顔、え……まさか失敗したの!?」
「優希ぃ」
翌日私は真っ先に優希に泣きついた、そう私は古橋くんを前に頭の中が真っ白になってしまい、意識してもらってお友達から作戦を不意にして告白してしまったのだ。
昨晩はあまりの不甲斐なさに枕を濡らした、ような気がする。
「いや、ちょっとまってよ、アンタとアイツが一緒に校舎出るところ見守ってから私帰ったんだけど……うまく行ったと思ってアンタの余韻邪魔しないようにってメールもしなかったのに……どうなってんの」
「それがですね優希さん」
「なんだよ改まって……」
実はあの告白、ある意味では成功していたのです、ある意味では。
「付き合ってくだしゃい!!」
か、噛んじゃった!!しかも、しかも告白しちゃった………ど、どうしよう。
テンパりながらもそっと古橋くんの顔を見れば表情を変えず。
「構わないが」
といった。ですよねー、急に告白されたら誰だって断る……え?
「えっ!?」
「構わないといったんだ」
「そ、それって、つまり」
「あぁ、手が必要なんだろう、差し詰め美化委員の担当教師に何か頼まれたんだろう?」
「へ?」
思わず、間抜けな声がでた。
いや、え……なにこの少女漫画のような王道!!私はぽかんとさぞ間抜けな顔を晒していた。
だがしかし!まてっこれで救われたぞ、告白してない事になったっ。
私は内心ガッツポーズをしてそして古橋くんに向き直った。
「えっと、実はお夕飯の買い物に行きたかったんだけど今日が特売日で大荷物になっちゃうの、それで古橋くんに手伝って貰おうかなーって……いいかな」
「……構わないがなぜ俺なんだ」
「んと、こないだの清掃の時粗大ゴミ一人で運んでたじゃない?力持ちなのかなって……」
「あぁ、成程……家に帰るまで時間はあるし俺でよければ手伝おう」
う、嘘は言ってないもん…お夕飯の買い物頼まれてたのは事実だし古橋くんが力持ちなのも事実だもん……
「で、結局買い物手伝って貰って何事もなく家に帰ったわけだ」
「面目ねぇ……」
「よかったじゃない」
「えっ」
優希が私の頭をポンポンと撫でた。
「ちゃんと認識して貰えたじゃない、じゃあ次はその買出しのお礼にご飯に誘ってみれば?」
「ゆ……優希ぃ…ありがとうっ」
私は涙ながらに優希に抱きついたのだった。
「おはよー古橋ー」
「原か、おはよう」
「古橋、瀬戸もいるから」
「………起きてるのかコレは」
「あー、いやどうだろ………あ、そういや古橋さ、昨日女の子と帰ってなかった?」
「見ていたのか」
「偶然ね、まさか…彼女?」
「違う、同じ委員会で顔見知りだったんだ、付き合って欲しいと言われたから買い物の荷物持ちをするのについてっただけだ」
「……いやいやいやいや古橋さんそーんなベタな展開ないっしょ!!」
「どういう意味だ…「ふぁぁ、あれ、学校じゃん…」…瀬戸おはよう…」
「おはよ、予鈴なりそうじゃん急がないと」
「え、さっきまで歩きながら寝てた瀬戸にいわれたくないんだけど!!!」
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