紫原敦

うわぁ今日単語テストだった、なんて学校に着いてから気付く
英語の成績とんでもないことになってたから勉強しなきゃとは思ってたんだけどなぁなんて思いながら席に座ってイヤホンを両耳にして単語の練習を始める
イヤホン越しから「おはよー」という声がして私も「おはよー」挨拶を返す

数十分くらい勉強をして挨拶を返してを繰り返していたら誰かに肩を叩かれた

「おはよみょうじちん」

「あ、おはよー紫原くん」

なぜかいつもよりにっこりしながらこちらを見ている
なんだろうなんて首をかしげていると彼から一言

「トリックオアトリートー」

「あぁ今日ハロウィンだっけ」

ちらちらと彼のことを見ている女子が何人も
そういうことね、このおっきい子供に餌付けするためにみんなお菓子持ってきたんだなんて苦笑いしつつ彼のほうを向く

「私からじゃなくて他の子から貰ってきなよ」

「んー?あとで貰うよ?」

あ、そこはきちんと貰うんだとか思いつつずっと私の目の前に立ち続けている紫原くんを見上げる

「私お菓子持ってきてないよ?」

あーじゃあいたずらだね、なんて笑った紫原くんは嬉しそうでした

「え、いたずら」

なに?そんな楽しいいたずらされるの?なんて思ってしまったのでした


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