ジノザキ
湿った息が漏れ、それを聞いてまた感度が高まった。
羞恥を感じる程敏感になるのだとわかる。
チクリとした痛み。
指先の動きに合わせて粘膜は引き締まった。
「爪、切っといて下さいよ」
痛てえなあ
「ごめんねザッキー、そのうち切るから」
浅い笑みの中に意図が見えた気がした。恐らくは、わざとだろう。
「嘘だろ」
「まあね」
嫌いじゃない
「良いこと思いついたよ、」
乱暴に後孔から指を引き抜かれ、嫌らしい音を立てた。
「噛んで」
精液に濡れた綺麗な細長い指を見た。どうにでもなりそうな気がする。
「…どんな趣味だよ」
「はやく」
嫌いじゃない、この人は、上品で圧倒的で手を伸ばしても絶対に届かない。
羨望、羨望、羨望、たまに乾燥、
彼の指の先端をくわえた。薄い唇で挟んで前歯の間にずらしこむ。
快感への欲求
触れてほしい
羨望、羨望
触れたい
乾燥、乾燥
ああ、この人は遠い
「君は本当に僕が好きなんだね」
そして僅かに伸びた爪を噛み切った。
性器の先端から先走りが幾つもの筋を作って流れた。流れた。流れていった。