小説
2012/01/06 04:36

[追記]
ガミタン

彼が断り方を知らないことを良いことに随分甘えていたと思う。正直何を考えているかわからない。二人の間には処女膜に模した不透明な隔たりが有った。ソレ故か、いつだってセックスは上々。皮肉にもそれが存在するためにお互いに離れることをしなかった。

突き上げるのが上手かった。
フェラが上手いと言われた。

切迫した息遣いも、眉間に寄せた皺も、汗ばんだ肌の感触も、好意的の範疇から逸しない。どこか他人行儀だった。赤く跡が付くまで強く抱かれると後ろ暗いことを、と覗き見している客体の自分に詰られた。片や、それがどうしたと部屋いっぱいに喘いだ。


やめてくれと言わないのが腹立たしかった。何でも分かっているようにして何も知ろうとしないようだった。

ちゃんと叱りつけて貰わなければいけない。のに。

良いわけ無いだろ。好きでも毎晩どっぷりいかがわしい遊びが出来るか。


「丹さん」
「あ?」

「コンドーム破っちゃった」



ああ。何だかひどくうんざりした。彼はそういう奴なのだ。


「ナマで」






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