- はいはい
こんな風に女抱いてたのか。
ふと思った。詮索したことは無かったしこれからもそうするつもりも無い。
何で別れたんだろ。いや理由は何となく分かった。あいつそんなんじゃないしな。
「お前って抱き方ずっとこうなの?」
「…まあ。嫌?」
「逆」
「あ、そう、ども。」
不思議だと思う。他人と過ごす時間に伴う束縛への肉迫が無い。干渉なしの空間のシェア、取り止めもない独り言、相槌、距離。
「丹さんって女と長く続かないでしょ」
「何だよ、んなこと言うならお前と寝てやんねえ!」
「いや、俺も続かねえから」
面倒なんだよな、
「知ってるわ」
「あり?」
「セックス上手い奴の八割は続かねえってさ」
「褒められてんの、これ?」
「自惚れんなバーカ」
落とした斧はそこらで三割引にでもなってるもんだった。けど意外と自慢だったりする。金のやつよか手に馴染むんだよ。なんてね。
手を伸ばして頬を抓った。間抜けな顔が可笑しくて噴き出した。多分こうしてここに帰ってしまうのだろう。
ディープ・キスは長めがいい。
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