- シムカタ
沈黙に揶揄された。空間の湾曲は著しく、その中で息を吸う自分も(恐らくは相手も)倦怠感と共に歪んでいくに他ならない。
頬に手を当てた。
ひんやりと冷たかった。
「こんままシてくれんねやろ?」
声色は艶めき、嘆息を深く飲み込んだようだった。また、喉元は力んであって不安定に疼く。
「いいよ」
淡々と、流れていく時間、横に幅を拡げ窒息していった。
膝に跨る大腿筋の軋みが熱を孕んで伝わり、唇の湿り気や薄い舌の震えを感じた。
「アカン、孕んでまうわ」
「まさかあ、カッタン男の子じゃん」
不整脈、
眩暈を彩るような、
瞳の色の揺らぎやその視線。
腕の中で激しく蠢く生命の熱さに感化された。そしてうなじをなぞるようにあやした。
「俺ド淫乱やん…だってもっとシて欲しいもん」
「いいよ、でもこっちのエネルギー全部もってかないでね、」
懐く仕草も言葉も眼差しも、満ち足りた感情を促してキツく唾を飲み込む。
実直すぎる、
空調の効き過ぎたこの部屋も、発情を逃しはしない、中心を捉えて芯を作る。
閉め忘れたドアの向こうから傾く日差しを見た。
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