異世界から来たって自己紹介した、女の子。いつもよくわからない生き物か鬼灯様と一緒にいるその子は、見ていて面白かった。直接話してみて、優しい事がわかった。たまーに、本当にたまにだけど一人でいる時があって、何でかそういう時に偶然会う事が多くて。話し掛けると笑いながら答えてくれる、アヤちゃんとのんびりするのが、最近の楽しみ。




「へえ…今はコンクールに出す絵を描いてるんだ」


「そう。だからこれから寝不足になるかなー…」


「そっか…」



頑張って、と頭を撫でるアヤちゃんの手は優しくて気持ち良い。目を細めると、猫みたい、なんて言いながらアヤちゃんが笑った。細くなった目は、綺麗な紫。
…そういえばコンクールのテーマは「色」だったっけ。じっと目を見てたら、アヤちゃんが不思議そうな顔をした。



「どうしたの?」


「んー、目の色が綺麗だなーって」



思ったままの事を言ったら、目が丸くなった。そしてその後、また優しく、今度は照れ臭そうに細まる。
…あ、この顔すごく……


「……ありがと」



「…わ……いな〜…」


「…え?」


「…ううん、何でもない」



可愛いなーって言ったんだけど、何だかこっちまで照れ臭くなって誤魔化したら、首を傾げていた。それでも、細い目はそのまま。
……うん。コンクールのテーマ、決まった。最近一番好きな色を…見ていて楽しくて、嬉しくて、幸せになる色を描こう。みんな優しさがわかってくれたらいいな。




「……うん、がんばろー…」





…書き終わる頃にはきっと、このぽかぽかした気持ちが何かもわかるはず。
そう考えながら笑ったら、つられたように更にアヤちゃんの目が細くなった。




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