突撃☆四天王と赤い液体
※最初シリアスくさいですが、最終的にはギャグです。
「ヘルム…それ」
「…………………。」
隠さなくてもイイんだよ。「…どうしたの??」
赤い液体が髪、頬、手袋や服にいっぱいついている。
ヴィルヘルムは見られたくないのか、ウーノをギリッと睨む。
「黙れ。」
「ハイハイ…じゃぁ、黙っててあげるからこっちおいでよ。拭いてあげるからさ…」
ウーノはヴィルヘルムに手をのばす。
しかし……
「
触るなッッ!!!!!」
勢いよくウーノの手を叩く。
相当痛かったのか、ウーノは顔をしかめ、叩かれた手をさする。
「もう……、どうしてキミはそう意地っ張りなのかな…」
「うるさい…!!」
「うるさいのはキミの方だよ、ヘルム。キミのしてるコトはまるで子供そのものだよ。」
「………………ッ」
ついにヴィルヘルムは、状況に耐えられなくなって下を向いてしまった。
ウーノは溜め息を1つつくと、そこらへんにあったバスタオルを取り、ヴィルヘルムに被せる。
「仕方ないコトじゃないか。ぼくは何も思わないし、皆分かってくれる。」
「………………。」
「ほら、顔を上げて。早く洗わないと臭いがついちゃうよ。」
なるべく、優しく声をかけるウーノ。
しばらくは黙っていたヴィルヘルムだったが、やがて顔を上げ、部屋を出ようとする。
「……すまない……」
そう言って部屋を出た。
ウーノはそれを見て、満足そうに微笑んだ。
「…………で??」
「んー??どうしたんだい??極卒。」
「なんで、そんな話がトマトの話に繋がるのさ。」
「ぼくは、ヴィルヘルムとトマトの面白い話があるって言うから聞いてたんだけど。」と不機嫌そうに言う極卒。
そんな極卒を見てウーノは、「これだから物分かりの悪い子は…」とでも言いたげな視線を投げかけた。
ちなみに、その話をされたヴィルヘルムはそれこそトマトのように真っ赤になっていた。
「だからね。ヘルムは仕事が終わって疲労が最高潮だった為に床に転がってたトマトの箱に気づかなくてさ!!それにつまずいたヘルムは
呆気なくトマトの山に突っ込んだんだよ!!」
「それで、トマトの汁がついた自分を見られたくないから早くどうにかしようと思った時に、運悪くぼくが来ちゃったの!!」とウーノ。
どうやら、その後の話が冒頭からあったもののようだ。
「まぎわらシイ……」と思うドゥームを余所にヴィルヘルムは大声でウーノを怒鳴りつける。
「
何故バラす!!!?」
「だって、面白かったんだもん!!!!あの時のヘルムは子供みたいでスゴく可愛かったよ!!」
「ー――――――!!!!!」
「……とらえ方によっては、殺った後の話かと思うけドナ……」
赤い液体=トマト汁(ホントだよね〜。ぼくも仕事帰りの話かと思ったぁ。)
(私は返り血を浴びるようなヘマはしないッッ!!!!!)
(トマト箱につまずいたノハ…)
(あれは疲れてたからだッ!!)
FIN
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暗殺した後の話かと思ったら、トマトの山に突っ込んだだけだった。っていうお話。
ウーノさんはどうやら言葉が足りないようです。もうちょっと前から話せばイイのに……。
普通ならトマトの箱に引っ掛かるとは考えにくいヴィルヘルムさんですが、ホントに転んだ所を見たら、爆笑する←
砂冥
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