地底探検をしよう。




「……さて……」


準備は出来た。

…と言っても、懐中電灯と小腹が空いた時の為のおやつと携帯しか持ってないケド。

はたして、地中で携帯が通じるのか軽く疑問だが。

まぁ、アタシは現代っ子だから!!携帯は必要なのよ。


……コレに入るのか……。


「…深い…かな……??」



暗いからよく分からないし…。…あ…、こういう時の懐中電灯か。電池とか大丈夫だったかしら……。

スイッチ……オンッ!!


「……おぉ??なんだ、思ったより浅いじゃん。」


アタシ的には奈落の底みたいなイメージがあったから、ちょっと安心…。

だが、しかし。

それはあくまで、アタシが奈落の底をイメージしてたからであって、コレは流石に何かロープとかないと降りられない。



「しかーし!!ウチにはロープくらいあんのよっ!!どうだ、思い知ったか!!!!」


…ちょっと、調子に乗った。

持ってきたロープを適当な所にきっちりと固定し、外れないコトを確認してからゆっくり降りていく。

……あ、ちょっと足りない。


「ふんっ、あと1mくらい飛び降りるなんてちょろいもんよ!!…とぅっ!!!!」


…よし!!着地もカンペキ!!!!

んー…どこに続いてるのかしら…。キョロキョロ辺りを見回すと右下の方にしゃがめば余裕で入れそうな穴を発見。


覗くとどうやら奥まで続いてるようね。……何かあったら逃げ道ねぇわね……。

でも、心はすでにイ●ディジョーンズなので、ずんずん進みます。


「……そういや、モグーはどうしたのかしら……」


久々の地中で、はしゃぎまくってるのかしら。あくまで、ココの穴に落ちたのを前提で考えます。


つか、この狭い空間じゃ方向転換出来なくない??このまま後ろに下がるとか面倒じゃね??


………………………。


ま、いっか!!!!!


「そのうち広い所に出るでしょ!!」とか思って、ずんずん進んでたら、マジで広い所に出た。

そうね……大体10分くらいかしら。意外と近いじゃない。



「…待て。よく見たら広すぎない??天井もあんなに高い…」


こんなの人間が作るには絶対機械が必要だわ。……ていうコトは相手は人外か……。

「あー」と意味もなく声を出してみる。するとコンサートホールみたいに、すごく綺麗に響いた。すごい造りだな、オイ。


…でも、こういう所で歌えたら気持ちイイんだろうなぁ…。


さて、ちょっと感動した所で辺りを探索。でも、どうやら行き止まりみたいで、変わった所は特にない。ココの異常な広さを除いて。


「うー…せっかく、冒険気分でココまで来たのになぁ。アタシにしてはノリノリだったよ。」


ロープまで使って降りて探険しちゃうくらいに。


しかし、当初の目的を思い出そう。

モグーの保護と犯人捜索。

犯人捜索は出来ないとしても穴は埋めなければならない。



「……流石にコレは埋められないなぁ……」


どうすべきだろう…??

テーブルの真下の穴だけでも埋めておこうか??いや、土じゃアレだから、掘れないようにコンクリートで。

いずれにしても、穴の深さを考えると費用がなぁ……。


もし、アレなら神に頼むとか……あ、ダメだ。ヤツは変な交換条件を出してくる。

この前なんか、神がサボったせいで溜まった仕事を手伝わされた。全く…んなもん一般人に手伝わせんな、バ神め!!


「そもそも、モグーを見つけないコトには埋めるに埋められないんだけど……」



コンクリートなんか流し込んで、あの鼻のドリルが折れたら可哀相だし。


うーん、と悩んでいると、突然目の前の壁が崩れた。それは、さっきアタシが通った穴と同じモノで……

ちょ、穴の中になんかいません!!!?


ちょっと怖いので、少し身構えるアタシ。


そして、そこから出てきたのは…


「アレ??花音??」



ウチのモグラでした。




 

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