期待したらたたき落とされた。



「ねぇ、今、神って言った??」

「い、言ってな

言ったよね??

ハイィッ!!バッチリとぉっ!!!!」


……というコトは…この穴をモグーに掘らせたのは神ってコト??でも何の為にこんなの掘らせる必要があるのよ。

暇潰し??それとも、アタシに対する嫌がらせか何か??


くっそー…確かに今まで散々「クソ神」とか「バ神」とか「アホ神」とか言ってきたケド…。

全く…心の狭い奴ねっ!!



「…あのー…花音??どないしたん??」

「ん??あぁ…いやちょっと、心の狭いクソ神だと思って。

何でそういう考えに行き着いたん!!!?

「え??だって、この穴って神の嫌がらせなんじゃないの??」

嫌がらせちゃうわっ!!!!大体嫌がらせやったら、わて、引き受けへんわ!!」


えー??じゃあ何でアタシの家に穴なんて掘らせんのよ…。


……ていうか、アンタ。まさかとは思うケド、この為だけにアタシの家に来たんじゃないでしょうね…??


「ち、違う!!違いますっ!!ホンマに違うから、叩こうとせんといてやぁ!!!!」

「……まぁ、違うならイイんだけど…。」

「(あー…良かったー…ぶたれんかったー…。)」


ふむ…話が若干逸れたわね。

今は何でモグーがウチに来たのか、じゃなくて、どうして神がモグーに穴を掘らせたのか、だわ。


…一応聞いとくケド、掘る前に神から、何かこう…なんで穴を掘るのかとか聞いてないの??


「え??いや…それが…『これからオレ様の言った通りに穴を掘ってくれ!!』って言われただけやき…。わて、穴掘り大好きやから、理由も聞かんと引き受けてしもうて……」

理由くらい聞けや、このダメモグラ。


ホントに嫌がらせだったらどうすんのよっっ!!!!

アンタみたいなのは将来、悪質な詐欺に引っ掛かりやすいわよ!!気をつけなさいよね!!

……いや、別に、神が詐欺師だとかそういうコトを言ってるわけじゃないんだけど…。


とにかく!!何かを引き受ける時はちゃんと理由を聞いておくコト!!ただでさえ、理由聞いても苦労する場合があるんだから!!


主にアタシねっ!!!!


「はー…これは神に直接聞くしかないかしら……」


10分程度で家に戻れると言えど、それからわざわざ洋服着替えて、神の家まで自転車漕ぐの??

神の為だけに??


…勘弁してよ…アタシのイ●ディジョーズ魂はとっくに燃え尽きたわよ。

そもそも何でアタシがこんなコトしなきゃいけないワケ??ったく…神から来なさいよ、神から!!!!


「んー…せめて携帯が使えればイイんだけど……」

「??花音、携帯持って来とらんの??」

「いや、携帯自体は持って来てるんだけど……さ。」


デパ地下なんかと違って完全に地下って感じじゃない??ココって。そりゃあ、神の力で電気は通ってるといえど……電波まではさすがに期待出来ない。

この世界には「期待させといて一気にたたき落とす」という展開が存在するからね!!


…………………。



パカッ


「…Σぉおおおおっ!!!?や、ヤベェ!!電波が3本きっちり立ってる!!!!絶対圏外かと思ってたのにっ!!!!」

「あぁ…そういうコトか…。それは神が『やっぱ今時、地下でも携帯くらい使えねぇとダメだよな!!』って(独り言)言っとったから…それでやと思うわ。」


なるほど、なるほど!!こういう所はGJ!!!!やっぱ今時は地下でも携帯くらい使えないとね!!!!



そして、ちょっと機嫌の良くなったアタシは、アドレス帳から神の文字を選択し、電話をかけた。


プルルルル…


《オッス!!皆の神様、MZDだ!!今、手が離せねぇ状態なんだ。悪いが用のある奴は『ピーッ』っていう発信音の後に用件を言ってくれよな!!!!》


ピーッ


死ね、クソ神。

Σ花音ー――――――っっっ!!!!!!?(汗





 

[*prev] [next#]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -