それは一目惚れ
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それは偶然の出会いだった

ある時に部下に何も言わず外へ出た

昔からこの辺りは月の光に輝いく珊瑚がたくさんあったのだが最近そのうちの一つが輝きを失っていったのだ
仕事が忙しく部下の監視もあり見に行く事が出来なかったのだが、どうしても気になり部下の目を盗んで部屋から抜け出したのだ

本来自分が神殿を抜け出すなどあってはならないのだが海を守る役目をおった海神としてそれをほって置くわけにはいかなかった

そうして目的の場所につけば太陽の日差しを受けて珊瑚達が色鮮やかに並んでいた
だがそのうちの一角、あの輝きが無くなった場所には白くなった珊瑚が静かにあった

ああ、やはり寿命でしたか

仕方ない事とはわかっていても月華は落胆した
この珊瑚には思い入れが少しあったのだ
どうしよもなくため息をついているとふっと近くに気配があることを感じた

初めは探しにきた部下達かと思ったが部下の気配とはまったく違う、どちらかというと自分に近い
そう慌てて振り替えればそこにはこちらを見つめる一人の青年が立っていた

見慣れない服装、異国の者だろうか

月華はそう思いながらも何処か親近感のような物を感じていた

『どうかしたのか?』

そう問いかけられて今さっき自分がため息をついていた事を思い出した
見られていたのか、そう思うと少し恥ずかしいような気もする

『いえ、ただこの珊瑚に寿命がきてしまって』

そう月華目線を珊瑚に戻した
白くなった珊瑚に触れればひんやりと冷たく感じる

『仕方のないことですが…』

『優しいのだな』

『そんなことはありませんよ。ただ少し寂しくて』

この珊瑚は私がここに住むようになってからずっとありましたから
そう独り言のようにこぼすとはっと思い出したように彼を見た

『すいません、少し自分の世界に入りすぎたようですね』

『いや…』

彼の顔が赤いような気がしたが……気のせいだろうか?
しかし彼と言葉を交わすと安心する、もう少し話していたいがそろそろ戻らねば部下が倒れてしまう

『話を聞いていただきありがとうございました。私はそろそろ戻らねばなりませんのでこれで』

『ああ、気をつけて行くのだぞ』

月華は彼に微笑みながら頷くと急いで海流に乗った
神殿に戻れば部下達が顔色を変えて何処に行っていたのか客人が来ると説教を受けたが

名前だけでも聞いておきたかったという後悔の方が先にきて
部下の話は上の空だった


それから数刻、遥々遠くの海から視察に来たという神に会いに広間へと向かった
まだあの数分の出来事が心に残って仕方がないが客人に失礼があってはいけない
そう気持ちを切り替えて扉を開けたのだが








思わずそのまま時が止まってしまった
そこにいたのはあの場所にいたあの人だった
彼もこちらを見て驚いている
奇跡にも近い状態に言葉が出ないでいると後ろに控えていた紅鸞に背中を叩かれはっとした

『この海の神殿を預かっております月華です。その……先程はお世話になりました……えーと……』

『海鳴。私の名は海鳴だ』

『では海鳴様、神殿を案内しますね』

『ああ、頼んだぞ』

その言葉に嬉しそうに月華は微笑んだた
久々に満面な笑みを浮かべる海の神様に後ろにいた三鳥はかなり驚き固まっていた
しかし彼らはこのあともっと驚くことになったという

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄それは一目惚れだった ̄ ̄ ̄

月華は今日も珊瑚の様子を見ていた
あの白い珊瑚が無くなってからまた新たな珊瑚が生まれたのだ

『月華、どうしたのだ?』

『ふふ、何でもありませんよ』

そう愛しい人の元へと月華は向かった
今日も珊瑚は太陽の日差しを受けて色鮮やかに並んでいる

...END

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ノク猫様から頂きました!!二人の運命的な一目惚れにニヤケが止まりません(ФωФ)
ああ月華さんが天使過ぎて今日も飯が美味えです(*´I`*)

皆様、お持ち帰りは現金ですぞ!?
2015.12.3



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