バーナビー学パロ夢小説 | ナノ



結局、誰にも見つからない場所と言ったら屋上しかなくて、彼女の気分が晴れるよう祈りながらドアをくぐる。夕焼け空はとても綺麗で眩しい。僕らが初めて一緒にお昼を食べた場所。彼女の優しい微笑みが絶えなかった場所。どうか笑顔でいてください。僕の大好きな人。


「ありがとうございます、バーナビーくん」

「いえ…」


もう泣き笑いは消えていて、嬉しそうに笑みを溢す彼女に僕は見惚れていた。どうしてこんなに絵になるのだろう。フェンスに手をついて遠くを見つめる彼女に胸が切なくなった。この屋上には二人っきり、告白するなら今がチャンスだと思った。でも口から出てくる言葉は全然違うものだった。


「どうして断ったのですか?」


怖かったのかもしれない。さっきの男子生徒のように断られたら、僕はきっと今までのように話しかけることなんて出来やしないから。


「付き合って欲しかったのですか…?」

「そんなこと…!」

「私…ずっと好きな人がいるんです」


彼女は目を見開いて僕の言葉を遮った。


「とても優しくて友達思いで、笑顔も素敵で…いつも私を見ていてくれる人」


なにを告白されているのかわからなくて、


「今、私を助けてにきてくれた…」


気づけば勝手に腕が彼女に伸びていて抱きしめていた。


「僕もあなたのことが好きです」


彼女の言葉を全て遮って伝えたかった。好き、愛してるを全部。


「本当に…?」


彼女は泣き出してしまった。彼女の耳元で静かに「本当です」と囁くと肩が震える。僕も泣きたいくらい幸せだ。どうしてもっと早く伝えたかったのだろう。彼女はずっと僕を見ていてくれたのに。僕たちは夕焼けが沈むまで抱き合っていた。


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