バーナビー学パロ夢小説 | ナノ



それから僕らは毎日のようにお昼を一緒に過ごすようになった。付録のようにバカップル二人がついてくるが、前より距離が縮まったと思う。だが、彼女は少し天然のようで僕がアプローチをしてもなかなか気づいてくれないことがほとんどだ。どうしたら気づいてもらえる?どうしたら彼女を自分のものに出来るのだろう?もやもやと考えながら廊下を歩いていると、下校時間はとっくに過ぎているのに彼女がいた。


「俺…福田さんのこと…」


僕は咄嗟に靴箱の影に隠れた。彼女が告白を受けている真っ最中だったからだ。男子生徒の真摯な気持ちが聞こえてくる。彼女は黙って聞いているようだった。


「ごめんなさい」

「どうして?理由を…」

「ダメなんです」


あぁ僕もこんな風に振られてしまったらどうしようとか。気まずくなって話しかけられないんだろうとか、ぐるぐる嫌なことが頭の中で回っていた。そうだ、知美さんが言っていたじゃないか。彼女は告白はされるけど恋人は作ったことがないって。


「本当にごめんなさい…っ!」


彼女から小さな悲鳴のようなものが聞こえてそちらに顔を向けると、男子生徒に腕を掴まれているようだった。僕は冷静になることが出来ずに彼女達の前へ進み出た。


「彼女に触らないでください」

「っ…バーナビーくん」


彼女の細い腕を掴んでいる男子生徒の腕を掴むと、彼女から引き剥がす。男子生徒は驚きの表情を浮かべて足早にどこかに行ってしまった。


「大丈夫ですか」


彼女はうっすらと目尻に涙を浮かべていて、怖かったのか今にでも泣き出してしまいそうだ。


「場所を変えましょう」


出来るだけ優しく手を引くと彼女は泣き笑いで僕の手を握り返した。


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