バーナビー学パロ夢小説 | ナノ



「お招きいただきありがとうございます?」


くすくすと笑みを溢して冗談を言う彼女に胸が高鳴る。僕の右隣には微笑む彼女、左隣には笑いを堪えている虎徹、彼女の右隣にはこの事態を引き起こした元凶。彼女と知美さんはクラスも違うしこういう機会がなかったのだ。


「でもよかったの?虎徹くんは知美の彼氏さんなんでしょ?その…お邪魔しちゃって」

「いいのいいの!みんなでわいわい食べたほうが楽しいでしょ」


眉を下げて言う彼女はなんて優しいのだろう。


「それにバニーもいるし、いいっていいって!」


「なっ!」と虎徹に肩を叩かれてはっとした。どうやら彼女に見惚れていたようだ。ぎこちなく笑みをつくる。


「虎徹とはいつもここでお昼をとっているんです、構いませんよ」

「そうなんですか、私屋上なんて初めて来ました」

「まぁ、マスターキーは会長の特権です」


話してみると僕の中の彼女のイメージとは違っていた。もちろんいい意味で。そんなほのぼのした空気が漂っている最中に空気を読めない男、虎徹が雄叫びをあげた。


「おぉ!今日もバニーの弁当は美味しそうだな!」

「またですか…しょうがないですね」


虎徹が食べるとふんで多めに作ってきて正解だった。卵焼きを虎徹の弁当のふたに移してやる。


「福田さんと知美さんもどうです?ちょっと多く作りすぎてしまって」

「わぁ!ありがとうバーナビーくん!」


「美味しい!」と叫ぶところは知美さんもやっぱり虎徹に似てると思った。彼女にも差し出すと血色の良い頬をひそかに染めて喜んでくれた。もうそれだけで胸がいっぱいだ。


「会長って優しいんですね」


会長…なぜ虎徹は虎徹くんなのに僕だけ会長なのだろう。ちょっとした嫉妬心が芽生えて僕は思わず彼女に言ってしまった。


「会長じゃなくて名前で呼んでいただけると嬉しいです」

「そうですか?ならバーナビーくんって呼びますね」


彼女の微笑みに目眩がしそうだった。


- ナノ -