バーナビー学パロ夢小説 | ナノ



「珍しいな、お前がボっーとしてるなんて」


僕が先日あったことを思い出していると、視界に入ってくる顔に締まりのない男。この人は副会長の鏑木虎徹。僕を補佐する立場なのに仕事をこれっぽっちもしないで最近できた彼女とふらふら遊んでいるらしい。


「僕だって息抜きする時間をもらってもいいでしょう?」

「まぁな…最近バニーは働きすぎだ」

「それを貴方が言いますか…遊び呆けてないで仕事してください。なぜ僕が貴方の分まで働かないといけないんですか!」

「わりぃわりぃ…てか遊び呆けてないだろ!」

「まったく…」


僕はやれやれと肩をすくめると虎徹に書類を手渡す。昨日の話し合いで決まった年間スケジュールのお知らせだ。虎徹はざっと目を通すと「ほいほい了解」と軽く返事をした。


「ちゃんと集会には来て下さいよ、進みませんから」

「ん…そういえばお前、ここんとこ福田ばっか見てるよな」

「別に…」

「気づいてないのか?」


そうだったのか、虎徹に言われて初めて気がついた。確かに彼女ばかりを視界に入れているような。もしかしてそんなにわかりやすいのか?


「なんなら恋愛では先輩な俺が極意を教えてやらんことも…」

「結構です。僕は忙しいので」


確かに彼女のことは好きだが、恋愛は恋愛。仕事は仕事。


「バニー…知ってたか?実は未来ちゃんけっこうモテるんだぜ」


楽しそうに話す虎徹にイライラしながら耳を澄ます僕はきっと重症なんだろう。少しでも彼女の情報がほしい。彼女のことが知りたい。想いは強くなるばかりだった。


「そういや知美が…」

「こーてーつー?いるー?」


噂をすればなんとやらだ。ディスプレイから視線を上げると虎徹の彼女、知美さんがいた。きっと教室にいなかった虎徹を生徒会室まで探しに来たのだろう。


「あ、いたいた!生徒会室に行くならちゃんと言いなさいよね!」

「おぉ、すまねぇ忘れてた」


虎徹は知美さんの逆鱗に触れてしまったらしい、なおも言い争いを続ける。


「二人とも邪魔するんでしたら出て行ってください」


僕が二人を睨みつけると虎徹はひらめいた!いや、何か企んだような顔をしていた。


「あぁ、知美ぃ…バニーがさぁ福田のこと好きらしいぜ」

「う、嘘!バーナビーくんが!未来を!」


知美さんの驚きようと言ったら、


「そんなに意外ですか」

「おっ認めた」

「いずれバレると思っていたので」


虎徹は鋭い男だ。いくら隠したところでちょっとしたことでバレてしまう、それなら最初から白状して協力してもらう方が良いと踏んだ。


「そうなんだバーナビーくん、未来が好きなんだ〜」


知美さんはキラキラと目を輝かせる。そんなに僕が恋をするのが意外か。


「未来はモテるもんね〜高一の時からそうだもん。告られるけど彼氏がいたことはないな」

「なんで知美さんはそんなに彼女に詳しいんですか」

「だって未来とは幼馴染みだし」

「そんなの初耳ですよ」


まさか知美さんが彼女とそこまでの関係だったなんて。猪突猛進な知美さんとおしとやかな彼女が親友だなんて。ありえない…。


「よかったじゃないかバニー、アプローチしやすいな」

「さっそく明日のお昼誘おっか!」


勝手に話を進めていく二人を呆れながら見つめる。知美さんも虎徹に似てお人好しさんだから協力してくれるのだろう。


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